Netflix話題作『誰もいない森の奥で木は音もなく倒れる』女優コ・ミンシ、殺人鬼役への新たな挑戦【インタビュー】

2024年09月01日 話題 #Netflix

女優コ・ミンシがNetflixシリーズ『誰もいない森の奥で木は音もなく倒れる』(以下、『誰もいない森の奥で』)の撮影秘話を伝えた。

【写真】コ・ミンシ、スイムウェア姿で驚異の柔軟ポーズ

8月26日、ソウル鍾路(チョンノ)区三清洞のとあるカフェでは、『誰もいない森の奥で』に出演したコ・ミンシのインタビューが行われた。

『誰もいない森の奥で』は、真夏に訪れた怪しいお客さんによって平穏な日常が消え、凄まじい事件に巻き込まれることになる人々の物語を描いたサスペンススリラーで、去る8月23日に全8話が公開された。

ドラマについて、コ・ミンシは「昨年夏に撮影したとても思い入れのある作品が世界中で配信されて光栄だ。20代の終わりに撮った作品なので、とても光栄で気分が良い」と明らかにした。

コ・ミンシ
(写真=Netflix)

公開後の周りの人々の反応については、「楽しく観られた方から連絡がたくさん来た。監督や先輩からも先に連絡があったのでありがたかった。一番印象に残った反応は“めったにいないコリアンXX”だ。スタッフとグループチャットで話しながら、海外の反応が気になっていたが、その表現がとても強烈だった」と語った。

女優の先輩からも反応があった。「一昨日、ヨム・ジョンア先輩、キム・ヘス先輩と撮った映画『密輸 1970』のチームと会った。先輩たちが『誰もいない森の奥で』を皆で見ようと言ったたが、私が『お願いですからやめましょう!恥ずかしいです』とお願いして、結局その場では見なかった」とエピソードを話した。

続けて、「翌日に先輩方から連絡があった。皆さん面白かったと言ってくださった。ヘス先輩は『コ・ミンシの時代になったと思う』と、とても喜んでくださった。そう言われて感動していると返したら、『あなたという存在自体が感動的だ。これからもさらに良い作品にたくさん出るだろう』と言ってくださり、とても嬉しかった」と嬉しさを表した。

そんな先輩の作品については、「ジョンア先輩が出てくる『クロス・ミッション』が本当に面白かった」と笑顔で伝えた。

監督に選ばれた理由は“ヒール”を履いたから!?

作中で冷ややかな目つきを持つミステリアスな人物ユ・ソンアを演じたコ・ミンシは、「作品を選んだというよりは、モ・ワンイル監督とオーディションのような形式のミーティングを2回して選ばれた」と、出演の経緯を語った。

準備の過程については、「初めて台本を読んだ時、他の作品に比べて重い役なので、徹夜しながら悩んだ。どうすればもっと良いキャラクターを作り上げることができるだろうかと。共演する俳優はとても尊敬している先輩たちなので、迷惑をかけたくなかった。外見的にも内面的にも、役作りが他の作品に比べて難しかった」と振り返った。

コ・ミンシ
(写真=Netflix)

また、ソンア役に選ばれたことに対して「私も実は監督の考えが気になっていた。オーディションを受けたときはこの役には絶対に選ばれないと思ったから」と“意外だった”と話すと、「台本を見たときに連想される雰囲気が私とはかけ離れていた。前から自分でも気づかなかった自分の一面を発見してくれる人がいたら良いのにと思っていたが、それでも役とは遠いと感じた」と打ち明けた。

そうして、「それで監督に私を選んだ理由を聞いてみた。2度目のミーティングのとき、それまで一度も履かなかったヒールを履いていたからだと言う。ミーティングのときはいつもカジュアルな服装をしていた。その日は特別にヒールが履きたくて履いたが、『ヒールがきれいですね』と言われたので、『特別な日にだけ履きます』と返した」と述べた。

その後、「その言葉で私が選ばれたのかと聞いたら、監督は返事をする前に3秒間悩む姿にユ・ソンアを見たとおっしゃった。どんな行動をしてから話すのか予測できないソンアの姿が一瞬にして見えたと。そのときから私も監督を信じて演技をした」と、出演の決め手を話した。

コ・ミンシから見たユ・ソンアとは?

コ・ミンシは自身から見たユ・ソンアという人物に対する考えも伝えた。

彼女は、「ユ・ソンアという人物を理解しながら演技しなければならなかったが、客観的には殺人鬼に共感してもらってはならないと思った。むしろカエルに石を投げた人物たちに共感してほしかった」と、演じるときの慎重さを吐露した。

加えて、「作中でチ・ヒャンチョル(演者ホン・ギジュン)が『自分が進んだ道の途中に君たちがいただけだ』と言う。ユ・ソンアも同じ意見だったはずだ。実際、ソンアの過去もたくさん知っている」と明らかにした。

そのうえで、「過去に何を経験したのか、ソンアの家族はどのように形成されたのか、なぜ子どもがいる人と結婚したのかを知っているが、作中で見せられていない理由は視聴者が殺人鬼の事情に納得してはならないからだと考えた」と分析した。

コ・ミンシ
(写真=Netflix)

彼女は、「ソンアは興味を持つところが一般人とまったく違う。父との通話だけを見ても、どんな家庭と地位を持っている人物であるかがわかる。表向きには華やかな人生を送っているようだが、いざ自分と真剣に話し向き合ってくれる人は誰もいない」と話した。

続けて、「唯一興味があるのはヨンハ(演者キム・ユンソク)という人物だ。おそらく前の夫も、ヨンハと同じように唯一ソンアが興味を感じられる人物だっただろう。前の夫が自分を弄んだように、ソンアにはヨンハがそのような存在だったはずだ」と考察した。

さらに、「初めはペンションが静かなのが好きで来たが、自分の痕跡をレコードに残して行ったのも、再び来たときにヨンハがどんな行動をとるのか気になったからだろう。1年の間、何もソンアに起こらなかったので、彼女の好奇心を高める唯一の人物がヨンハだったのだと思う」と述べた。

そして、「ペンションに対する執着もペンションそのものではなく、ペンションとヨンハは同じものだと思う。ソンアは望むものを無条件に手に入れなければならない人物からこそ、そうしたのだろう。ソンアは自己憐憫がとても強いのに感情のコントロールができない、ソシオパスに近い人物だ」と説明した。

こだわりを見せた髪型と衣装

演技をするときの悩みも伝えた。彼女は、「第1話での1年前の様子と、再びペンションに戻ったときの雰囲気は完全に違ってほしかった」と、こだわりを見せた。

また、「撮影した時期が『Sweet Home―俺と世界の絶望―』(以下、『Sweet Home』)シーズン2と3の撮影のすぐ後だった。最も心配したのは、『Sweet Home』と『誰もいない森の奥で』のヘアメイクチームが同じだったことだ」と、当時の心配を吐露した。

そうして、「『今回は少し違う感じのメイクではあるけれど、何が良いかな』と、Cカールの髪型を勧めてくれた。分け目も変えた。1年後の最初は鋭い感じがするように短い髪で登場した。その後はいろいろとスタイリングを勧めてもらって、髪型を変えた」と過程を振り返った。

髪型のほかにも、「衣装も本当にたくさん悩んだ。私もそうだし、スタイリストがすごく苦労した。さまざまなルックを試してみて、許可をもらいに行った」と苦労を明かしたコ・ミンシ。

「作品の後半では似合いそうな衣装を選ぶと、監督がその選択を信じてくれた。 風景に合う衣装を選ぼうとしたし、物語が進んでいくと同時にソンアという人物を立体的に見せるために、さらに気を使った」と説明した。

コ・ミンシ
(写真=Netflix)

良い雰囲気の撮影現場「一番だった」

撮影現場でのエピソードも伝えた。「毎回撮影がとても幸せだった。先輩たちと演技するのも楽しかったし、尊敬する先輩たちと同じ場所で息を吸っていること自体が大きな財産だと思う」とコ・ミンシは幸せそうに話す。

スタッフや監督については、「スタッフもとても良かった。撮影現場はどこも監督と似ていると感じるが、モ・ワンイル監督とともに過ごした現場のスタッフたちはとても良かった。皆天才なのかなと思うほど、一人一人がこの作品に楽しさを感じながら撮影した」と褒め称えた。

加えて、「さまざまな良い要素が一カ所に集まればシナジーが大きくなるので、作品、演技、撮影現場のすべてが私にとって忘れられない経験になりそうだ。撮影現場のなかでは一番だった」と伝えた。

共演した俳優キム・ユンソクについては、「ユンソク先輩が『悪役はどの作品でも一対多数なので孤独だ。単純に悪に見えるというよりは、もう少し立体的になれるように作品から消してしまいたい人物ではなく、ずっと見ていたくて、少しばかり可哀想にも見える場面があると良い』と言ってくださった」と、彼からのアドバイスを共有した。

さらに、「一場面でもこの人物が喜怒哀楽を感じる場面があると良いとも言ってくださった。そこで、後半でヨンハに『明日韓国を離れる』と話すとき、ソンアがこれまで見せてこなかった悲しさを感じているように見せた。そのような場面でもう少し立体的に見せようとした」と振り返った。

また、「(ハ・ジェシク役の俳優チャン・)スンジョ先輩とアクションシーンを一日中撮った。初めに台本を見て感じた緊迫感がリハーサルのときよりもはるかに高まり、現場にいるスタッフ全員が驚いた。私はその感じがとても良かった」と、他の俳優とのエピソードも回想。

「スンジョ先輩もエネルギーに満ち溢れていて、おかげで各場面に没頭できた。 たくさん走ったし、本当に何度もぶつかった。撮影は長かったが、とても満足できた。ソンアの過去を見せる場面は少なく、場面も短いが、関係性が見えると思った」と、満足気に話した。

さらには、「(チョン・イソン役の女優ノ・)ユンソさんとのアクションシーンは、実はリードしてもらって気楽だった。アクションはリードするのがいつも大変だからだ。ユンソさんは身体を上手く使える。そこに身を任せてやればいいので、とても楽しく撮影した」と女優同士のアクションシーンにも言及し、「女性と女性がくっついてシャベルと棒を持って戦う場面が珍しいので、面白かった」と説明した。

幅広い活躍を見せるコ・ミンシ

決して一作品の役柄に染まらないコ・ミンシの話も聞くことができた。

彼女は『誰もいない森の奥で』の撮影を思い出しながら、「新しく多様な姿が捉えられる度にやりがいを感じた。いつも血まみれの役や、貧しい役をたくさん演じてきたので、初めて着飾っている様子が捉えられて新鮮だった。挑戦することがすごく楽しかった」と、作品に出演した感想を共有した。

俳優業そのものについては、「(他の作品でも)自分が楽しくないといけない。ぼろぼろになる役でも、自分とは別の姿で画面に出るのが好きだ。役柄のなかで輝ける瞬間がとても楽しい。完成したものが世に出たときの方が、後悔がない。今後も多様な役を演じ、もし結果が良くなくても挑戦することに意義があると思いたい」と伝えた。

コ・ミンシ
(写真=Netflix)

コ・ミンシは俳優業以外にも最近ではAmazon Prime Videoでも配信中のtvNバラエティ『ソジンの家』シーズン2(以下、『ソジンの家2』)で大活躍している。

彼女は、「『ソジンの家2』ではカメラがどこにあるのか気にせず仕事ばかりしていたので、普段の性格が世に出たようで恥ずかしかった。それでも、何でも頑張ろうとする姿がちゃんと映ったようでありがたい」と、番組について話した。

その一方で、本業については、「普段の自分と俳優をしている自分は、完全に違って見えてほしいと思った。いつも挑戦することに恐れを感じないようにしている。ヘアメイクなども大胆に変えるのがいつも楽しい」と明らかにした。

続けて、「演技するときぐらいは、自分がどんな人で、どんなイメージを持っているのか、どれくらい変われるのかについては、常にさまざまな可能性があってほしい。今後も挑戦することには恐れを感じないだろう」と強調した。

さらに、最近出演してみたい作品のジャンルについて、「最近はロマンス。あるいは正統派の時代劇がしたい」と語った。

そんなコ・ミンシは最後、自身が“Netflixの娘”と言われることについて「親孝行したい。こんなに楽しく演技をして、良い結果まで出せたらすごく良い。これからNetflix作品に出演することになったら、孝行娘として一生懸命働きたい」と冗談を伝え、笑いを誘っていた。

◇コ・ミンシ プロフィール

1995年2月15日生まれ。韓国・大田広域市出身。20歳のときにウェディングプランナーとして就職したが、女優の夢を諦められずソウルに上京。その後、ウェブドラマや短編映画に出演し経験を積む。2018年の映画『The Witch/魔女』で、主人公ジャユン(演者キム・ダミ)の親友役を演じて話題に。2020年にはNetflixオリジナルシリーズ『Sweet Home -俺と世界の絶望-』で“バレエ少女”イ・ウニュ役を熱演し、2023年7月26日に韓国で公開された映画『密輸』(原題)での演技が評価され、“韓国版アカデミー賞”とも言われる「第44回青龍映画賞」の新人女優賞を受賞した。2023年12月1日より配信中のNetflixオリジナルシリーズ『Sweet Home -俺と世界の絶望-』シーズン2にも出演している。

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