1月22日に封切りした韓国映画『南山の部長たち』で、主演を務めた俳優イ・ビョンホン。
大統領を暗殺するまでの40日間、内面が大きく揺れ動くキャラクターに扮してストーリーを引っ張った。
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イ・ビョンホンは、『南山の部長たち』での演技をこう振り返る。
「他のキャラクターに比べてセリフが少なく、大写しが多かった。大写しの演技は観客に心地悪さを与えるかもしれないが、極端な大写しは状況を目の前にする時より感情がずっと伝わりやすいと思う。役者が心を込めて演じれば、その感情が全て伝わると思いながら演じた」
また、演技に対する持論も語った。
「大きなスクリーンで見たとき、観客にうまく伝わるか不安ではある。だが、観客にバレてこそ俳優だ。バレなければ、どういう演技をしたのか分からなくなる。観客にどういう演技なのかバレてこそ物語が進み、キャラクターの感情がつながる。魔法のように大きなスクリーンで極端な大写しが出たとき、観客に全てをゆだねるのが目標したところだ。カメラが近づくのは怖いけれど、スクリーンに魔法が起きてほしいという気持ちで演技をしている」
「バレてこそ俳優」という言葉について、イ・ビョンホンは「主観的に何かを演じてしまえば、観客とコミュニケーションが取れない。多くの人に感情移入して観てもらうには、結局は少しずつその感情がバレなければいけない。伝わらなければ作品を通じてコミュニケーションができないので」と付け加えた。
これまで様々なキャラクターを演じてきたイ・ビョンホンだが、“ラッキー”な場合と、“最悪”な場合があると話す。
「私も数カ月間そのキャラクターになりきっていると客観性を失ってしまう。作品ごとに心構えや感覚は違うけれど大体同じような覚悟を持って臨むのだが、キャラクターの姿をしっかり掴んで閃きがあればラッキーな場合だ。撮影が進むにつれてキャラクターが感じられる瞬間がある。最も最悪な場合?撮影が終わるまでキャラクターの真似をするだけのとき。それが一番辛い」
最近の悩みは何かと聞くと、やはり作品と演技に対する答えが帰ってきた。
「いつも同じようなものだ」というイ・ビョンホンは、「もし次の作品が決まってなくても悩むし、決まっていたらいたでキャラクターを把握するまでの悩みが存在する」と語る。彼が演技に関しては「右に出る者なし」と言われる俳優であることを、痛感させられた。(後編につづく)
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