俳優キム・スヒョン、ソン・ジュンギがこのほど、設立間もない芸能事務所に移籍して話題を呼んだが、K-POP業界のトップアーティストの中にも大手事務所から独立、個人事務所を設立するケースが増えている。
大手IT企業「Kakao」の子会社「KakaoM」所属だったソロ歌手IU(26)はこのほど、設立したばかりの「イダム・エンターテインメント」に移籍した。2008年のデビュー当時から組んできたマネージャーと一緒に独立した形になる。
オーディション番組『PRODUCE 101』で1位を獲得し、Wanna Oneのセンターを務めたカン・ダニエル(23)も個人事務所「KONNECTエンターテインメント」を設立。
設立の過程において前所属事務所と契約問題をめぐる法廷争いを繰り広げたが、和解に至ったためカン・ダニエルはその後にソロ活動を展開している。
少女時代ユナが“限韓令”の中国でも不動の人気…なぜ彼女だけが愛されるのか
他にもBlock Bのジコ、CL(元2NE1)、Ailee、ホン・ジニョン、HENRY、SISTARヒョリン、ペク・イェリンなどが個人事務所やレーベルを設立、自由に音楽活動を展開している。
このような現象が相次ぐ理由は何か。まずは「1人のメリット」を挙げられる。
すでに業界で認められ、知名度を上げたアーティストの場合、大手事務所からのコントロールやケアよりはひとりで集中できる環境を求めるからだ。
自分が責任を負うべき範囲が広がるにつれ、ただの所属歌手を越えてアルバム全般のディレクションなど、アーティストとしての才能を発揮できる機会と権限が高まるのは、彼らにとって魅力的なものだろう。
現在も作詞・作曲が可能なアーティストが個人事務所を設立する場合が多いため、音楽に対する自信が独立にもつながっていると言われている。
また、大手事務所は所属アーティストのプロモーション日程がかぶらないようにするのが一般的だが、個人事務所だとそういう問題からも自由になれる。
とある関係者は「音楽ジャンルやスタイルも同じだ。個人事務所ではアーティストがもっと自由にやりたい音楽を決められる。もちろんリスクも伴うが、アーティストの立場からすればやってみるべき挑戦だろう。それこそ俳優よりも歌手たちの個人事務所設立が勢いを増しているわけだ」と語った。
実際に、CLは昨年末にYGエンターテインメントを退社後、マネージャーやスタッフを同伴せず1人でアメリカでの音楽活動を行っている。
JYPエンターテインメントから退社し、自身のレーベルを作ったペク・イェリンは、独立後にリリースしたアルバム『Every Ietter I sent you.』が各種音楽チャートを席巻するほど評価を得た。
しかし、独立することがメリットばかりではない。
システムが整うまで時間がかかるため、それに伴う限界を感じる場合もあるのだ。
例えばヒップホップ歌手Crushの場合、「Amoeba Culture」を離れて1カ月ほど1人で活動するも、歌手PSYが設立した「P NATION」と契約を結んだ。より良い環境で音楽に集中するためだった。その結果、5年6カ月ぶりにフルアルバムを発表するなど、アーティストとして成長を見せることができた。
また、元の事務所から新しい事務所に移籍する際に、専属契約をめぐる葛藤が生じることも少なくない。カン・ダニエル、ホン・ジニョンなどがそのケースだ。
とある関係者は「雰囲気に流されて独立を目指すも、失敗してしまうケースも多い。先立って個人事務所を設立したり、その予定がある歌手たちが、いい見本を見せるのが重要だ」と強調した。
前へ
次へ