「私の人生、私の選択」
その言葉のとおり、韓国では“母になる”という人生の決断を、自らの意志で選び取った女性たちがいる。
7月8日、女優イ・シヨンの所属事務所ACE FACTORYは、本サイト提携メディア『OSEN』に「イ・シヨンが最近妊娠したのは事実。元夫との間にできた第二子だ」と明らかにした。一方で「プライベートな内容のため詳細は控える」と言葉を慎みながらも、イ・シヨン本人がSNSで発表したコメントに注目が集まっている。
イ・シヨンは「現在妊娠中」としたうえで、「一人目を授かったときに感じた後悔を繰り返したくなかった。そして、これは私にとって最後のチャンスだったので、冷凍保存していた胚を廃棄せず、移植する決断をした。相手(元夫)は同意しなかったが、その責任はすべて私が背負っていくつもり」と説明した。
イ・シヨンは2017年に9歳年上の実業家と結婚し、翌2018年1月に第一子を出産。今年3月に離婚している。
結婚生活中に体外受精で受精卵を作り、冷凍保存していたイ・シヨンは、離婚後、保存期限が迫るなかで“単独で”胚の移植を選択。法的にはすでに関係が終了していたため、元夫の同意なしに決断する形となったが、彼女は「子どもに不足のないよう誠実に生きていく」と、“母としての責任”を強調した。
“一人で”、しかし“堂々と”子どもを選んだ女性は、韓国にもう一人いる。それも日本人だ。
2020年、タレントの藤田小百合もまた、日本の精子バンクを通じて西洋人男性から精子の提供を受け、息子を出産したことで大きな話題を呼んだ。現在は韓国で“自発的シングルマザー”として、バラエティ番組などを中心に活動している。
藤田は当時、YouTubeで「41歳で生理が止まり、“子宮年齢は48歳”という診断を受けた。すぐに誰かと出会って愛することも難しい状況だったが、どうしても子どもがほしかった。だから日本の精子バンクを通じてシングルマザーになることを決めた」と語っていた。
さらに、「愛する人との間に子どもを持つのが一番だと思うけど、私に与えられた時間が残り少ないという切迫感があった」「子どもを産むのは女性の権利だと思う。誰もが私と同じ選択をすべきとは言わないけれど、これは“私の人生”であり、“私の選択”だった」とも話している。
このように、イ・シヨンと藤田は、それぞれ異なる方法でありながら、「自分が母になると決めた」という共通点を持っている。結婚や愛、家族という形ではなく、“責任”こそが彼女たちを母にしたのだ。
そしてその決断は、誰かの許可を得るものではない。静かに、しかし力強く証明してみせている。
(記事提供=OSEN)
◇イ・シヨン プロフィール
1982年4月17日生まれ。モデルを経て芸能界デビュー。日本でも人気を博したドラマ韓国版『花より男子』や『風の国』に出演して注目される。以降、『富豪の誕生』『ゴールデンクロス』『一理ある愛』といったドラマでヒロインを務める傍ら、役作りのため始めたボクシングに目覚め、2012年には各種アマチュア大会で優勝。 “ボクサー女優”としても有名だ。近年は『Sweet Home-俺と世界の絶望-』や『グリッド』に出演。2017年に9歳年上の事業家と結婚し、長男をもうけるも、2025年3月に離婚を発表した。
◇藤田小百合 プロフィール
1979年10月13日生まれ。東京都出身。韓国で活動する日本人タレント。2007年の韓国KBS2バラエティ番組『美女たちのおしゃべり』(原題)でブレイク。その後、韓国で数々のバラエティ番組に出演して顔を知らせた。40代に突入すると、子宮年齢がすでに「48歳」という診断を受け、自発的に“未婚の母”になることを決意。精子バンクに保管された西洋男性の精子提供を受けて妊娠し、2020年11月に日本で3200gの男児ゼンくんを出産した。
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