「久しぶりのカムバックなので、今この瞬間がとても大切です」
ガールズグループaespa(エスパ)がイメージを一新して帰ってきた。5月8日、aespaが3rdミニアルバム『MY WORLD』を発売して10カ月ぶりにカムバックする。
今回のアルバムは、aespaの世界観である「KWANGYA(クァンヤ/荒野・広野)」から「REAL WORLD(現実世界)」に戻ってきたaespaメンバーたちの新しい物語が繰り広げられる“世界観シーズン2”のストーリーを盛り込む。
計6曲が収録され、仮想ではなく現実世界に戻ってきたaespaメンバーたちの新しい物語として、既存の世界観を継続する。
アルバム発売を控えた5月8日午後、ソウル江南(カンナム)のインターコンチネンタル・ソウルCOEXでは記者懇談会が開かれた。2020年11月にデビューしたaespaは、新型コロナの影響で対面での記者ショーケースは今回が初めてだ。
空白期間中に再整備する時間を持ったというカリナは、「運動と練習を熱心に行い、メンタルも引き締めた」と近況を伝えた。
タイトル曲『Spicy』は、シンセベースサウンドとダイナミックなビートが目立つダンス曲だ。これまでaespaがタイトル曲で見せてきた強烈な姿よりも、はつらつとして自由奔放、ヤング(young)なエネルギーが目立つ。
『Spicy』についてジゼルは、「夏にぴったりの雰囲気で新しい姿をお見せできそうだ」と期待した。ポイント振り付けに対してニンニンは、「まるで辛い物を食べるように口の周辺に小指を当てる動作がポイントだ」と説明した。
以前とは大きく異なるハイティーンらしいコンセプトに対してカリナは、「仮想世界であるKWANGYAで活動するために戦士のような感じが多かったとすれば、これからはリアルワールドに来て、私たちの年代に合わせたハイティーンらしいイメージを与えようとした。キャンパスにいるような服装で、よりヤングで自由奔放な感じを出した」と話した。
ニンニンは「今までやったことのない感じで、初めて見るaespaのようで良かった」と付け加えた。
ウィンターは「(これまでタイトル曲が)暗くて奥深い話ばかりして、私たちには恨みがたくさん込められている」と笑いながら、「『Spicy』を通じてステージで精一杯、恨みを晴らしたい。aespaと夏を熱く過ごしてほしい」と自信を示した。
思いがけずaespaの空白期が長くなった背景には、所属事務所SMエンターテインメントの経営権をめぐる“紛争”の余波もあった。
SMエンタの創業者であるイ・スマン前総括プロデューサーが企画段階から愛情を持って参加し注目されたaespaは当初、2月20日のカムバックを目標に準備してきたが、SMエンタの経営権紛争の余波でカムバックが延期された。
紛争が終結し、SMエンタが「SM3.0」計画を発表してから初めてアルバムを披露することになっただけに、今後のaespaの青写真に対する関心も高い状況だ。
SMエンタの紛争後の変化に対する質問にウィンターは、「紛争が私たちに直接的な影響を及ぼすことはなかった。(むしろ)自分たちに集中できる、自分たちだけのチームが構成された感じだ」と話した。
3rdミニアルバム『MY WORLD』では、aespaならではの特徴だが、多少難解だという評価を受けたりもした仮想現実の世界観をしばらく置いて、メンバーの年代に合うはつらつとした姿を前面に出し、大衆性を狙うという点が以前と最も大きな違いだ。
しかしaespaのメンバーたちは、世界観は依然として有効だと強調した。実際に5月2日に先行公開したシングル『Welcome To MY World』には、aespaの世界観で助力者として登場した「nvisvis」(ナビス)がフィーチャリングして魅力を加えた。
カリナは「世界観があれば、できる音楽のスペクトラムも広がり、ガールズグループとしてお見せできる姿も多いと思う」とし、今後も自分たちの仮想現実のカラーを継続することを明らかにした。
ニンニンはaespaの音楽について、「aespaは両面性のあるグループだと思う。戦闘的な歌もたくさん歌ったし、今回初めて大衆的な歌を歌ったが、これからも多様な歌を試してみようと思う。試みたほうがいいし、怖くない」と堂々と話した。
aespaは第4世代ガールズグループの全盛時代を知らせたグループだ。独創的な「メタバース世界観」を土台に、『Black Mamba』『Next Level』『Savage』とヒット曲を次々と生み出した。
最近、初の単独コンサートでワールドツアーを繰り広げるなど、個性的な音楽とパフォーマンスを見せている彼女たちが、今回のミニアルバムを通じて第4世代ガールズグループのなかで再びその地位を取り戻せるか注目される。
ウィンターは「競争だとは思わない。一緒にK-POPで韓国を知らせたい」としながらも、「私たちだけのキャラクターと長所があるので、競争よりは発展していく過程をお見せしたい」と話した。
何よりもスタートがいい。今回の新譜『MY WORLD』は、先行注文量だけで計180万枚(5月8日基準)で、前作の2ndミニアルバム『Girls』の先行注文量161万枚を超え、自己最高記録を更新。カムバック前から2作品連続ミリオンセラーのタイトルを予告した。
ウィンターは「『Girls』は多くの方々に好かれてありがたいと思っていたが、今回のアルバムも良い成績を収めることができて光栄だ。私たちももっと努力するので期待してほしい」と感想を述べた。
特に180万枚という先注文量は、昨年発売されたBLACKPINKの2ndフルアルバム『BORN PINK』が記録した200万枚の次ぐ、歴代K-POPガールズグループの第2位に該当する成績でもある。
昨年7月に発売された2ndミニアルバム『Girls』で、累計販売量180万枚(サークルチャート基準)を突破し、米ビルボードのメインアルバムチャート「ビルボード200」で3位を記録したが、それを超えるかにも関心が集まっている。
最近、日本で「aespa LIVE TOUR 2023 SYNK:HYPER LINE IN JAPAN」を終えたaespaは、1stフルアルバム発売に続き、8月には夢の舞台と呼ばれる東京ドーム単独コンサートを開催する。
これで2020年11月にシングル『Black Mamba』でデビューしたaespaは、3年も経たないうちに東京ドームのステージに立つことになった。これは海外アーティスト史上、最短期間での東京ドーム入りの記録でもある。
コンサートの感想についてニンニンは、「コロナの時期にデビューして、ファンの方々と直接会ったことがあまりなかったが、最近海外コンサートをしながら多くの海外ファンの方々とコミュニケーションした。これからもそんな機会が増えてほしい」と話した。
記者懇談会の最後にaespaは、1stフルアルバム発売計画についても明かした。
ウィンターは「フルアルバムのために大切にしている曲が多い。フルアルバムを以前から準備してきたし、自信が相当ある。ものすごい曲なので期待してもいいと思う」と強調した。ジゼルもフルアルバムについて、「一度も見たことのないaespaの新しい魅力を見ることができるだろう」と耳打ちした。
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