劇中でイ・ビョンホンとプライベートでも親しいクォン・サンウと夫婦役を演じたことについては、「サンウさんのキャラクターが本当に上手なので、シナリオを見た時にすごく似合いそうだと言ったら、ビョンホンさんは“あぁ、クォン・サンウが(演技が)上手なの?笑わせるね”と言っていた」とし、「サンウさんはインタビューの時、キスシーンではビョンホンさんの顔がチラついたというが、劇中の女性が積極的であってこそ面白いと思った。サンウさんが壁に押しつけられる感じでなければならず、私が襲って楽しく撮影した」と撮影を振り返った。
イ・ミンジョンのアドリブも本作の注目ポイントだ。タクシーに乗ったあと、自分に起きた話をするクォン・サンウに対して「うんざりしているね」と吐き出す場面や、町内の母親たちと歌いながら楽しい時間を過ごし、マイクを手にしたまま眠っているシーンは彼女のアイデアだったという。
また俳優のオ・ジョンセが劇中、「イ・ビョンホンは最近(出演料が)安いじゃないか」とアドリブで台詞を言ったあと、「本人(イ・ビョンホン)に許可を取ってほしい」と言っていたというエピソードも明かした。
「本人にチラっと聞いてみたら“まあ面白ければいい”と言っていた。そのシーンで観客が面白がって笑いが爆発すれば良いが、意味もなく通り過ぎたら残念だと言っていた。試写会の時に見たら、男性たちがあんなに喜ぶとは思わなかった。本当に(出演料が)安かったらできない」と話す。
ほかにも夫のイ・ビョンホンは笑いに本気だとし、「ユーモラスで笑わせることが大好きで、俳優として作品に使おうとそれを隠して生きている。頭の中にどうすれば笑いが爆発するかという欲がある」と説明している。
またSNS上で痛快ながらもユーモアあふれるコメントでも話題を集めるイ・ミンジョンは、「率直に言って私が感じたことを書く」とし、「夫が時々自分のものを(SNSに)上げる時、私に“面白いよね?”と見せてくれるが、その瞬間が面白くない。私が即興的に思い出すのは面白いが、(面白くしようと意図的に)考えた感じがするのは面白くない」と話した。
そして役者としての価値観も明かしたイ・ミンジョン。どんな役を担当しても邪魔にならない人が良い俳優だと思うとし、「この人(役者)自体にはどんな一面があるのか気になるような俳優だったら良いな。次の作品で、その人の中に何があるのか気になることが多くなる俳優だったらと思う」と伝えた。
新型コロナで映画館が縮小されたことに対する残念さも吐露。「密閉された空間で私が好きな人と時間を作って見る映画は集中度が異なる。映画館と映画が死ななければ良い。『スイッチ』が、映画界が活発になる契機のような映画になってほしい」という願いも表わした。
最後に次回作についても語っている。『スイッチ』のように、クラシックかつ胸が詰まるような温かい感動作が好きとしながらも、「20歳の時にはラブリーで優しいイメージを与えていたが、今は歳を取って大きく変わったと思う。スリラーや次の章が気になって起きられないようなジャンルの映画をやりたい」と今後の展望を明らかにした。
◇イ・ミンジョン プロフィール
1982年2月16日生まれ。2005年のドラマ『愛・共感』でテレビドラマデビュー。その後、ドラマや映画に出演し、2009年の『花より男子~Boys Over Flowers』でイ・ミンホ演じる主人公の婚約者に扮してブレイクした。2012年8月にイ・ビョンホンとの交際を認め、2013年8月に結婚。2015年3月に息子を出産した。明るい性格や巧みなコメント力でSNS上でも影響力が大きい。