生存者証言を参考に、北朝鮮強制収容所の内情を描きつつ、過酷な環境で生きていく家族とその仲間たちが生き抜いていく姿を3Dアニメーションで描いた衝撃の感動作『トゥルーノース』から、緊迫の本編シーンが解禁となった。
本作は在日韓国人4世である清水ハン栄治監督が、収容体験をもつ脱北者にインタビューを行い、10 年もの歳月をかけて作り出した渾身の一作だ。日本公開に先駆け、アヌシー国際アニメーション映画祭など海外の映画祭で絶賛されている。
今回解禁となった本編シーンは、1950年代から1984年まで続いた“在日朝鮮人の帰還事業”で北朝鮮に渡った主人公ヨハン一家の父が失踪し、残されたヨハンと妹のミヒ、母が着の身着のままでトラックの荷台に乗ることを促されている。母の戸惑いの言葉、そして幼いヨハンとミヒの表情から、彼らの不安が観客にも一気に伝わる緊迫のシーンだ。
さらに、今回本作を公開に先駆けて鑑賞した俳優の滝藤賢一さん、武正晴監督、熊切和嘉監督、李闘士男監督、深作健太監督、豊島圭介監督といった各界から総勢12名からコメントが寄せられている。
俳優の滝藤賢一さんは、「この理不尽極まりない地獄から 人間がいかに神秘的な生物か 浮き彫りにしてくる。人間は素晴らしいよ!」とコメント。
また『アンダードッグ』『百円の恋』の武正晴監督は、「誤った国家による被害者が加害者となっていく描写に身震いした。少年少女達の収容所での成長譚に救われた。映画とは人を救うために創られることを再認識した。清水ハン栄治監督の偉業は余りにも尊い」と絶賛した。
『三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実』の豊島圭介監督は、「監督は北朝鮮の強制収容所にいる12万人を本気で救おうとしている。そのために彼が選んだのは「超一流のエンターテイメントを作る」という方法だった。心を揺さぶられまくりました」と熱い感想を寄せている。
北朝鮮強制収容所という世界で最も過酷な場所で、希望を捨てずに生き抜こうとする者たちを描き、「人は何のために生きるのか」を我々に問いかける本作。
清水ハン栄治監督が、「ただの娯楽作品に終わらず、観客の皆さんの心を動かし、声なき人々の声となってほしい」と願う現在進行形の物語は、6月4日(金)よりTOHOシネマズ シャンテほかにて全国公開だ。
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