まだ最終判決は下されていないが…“薬物騒動”のユ・アイン、主演映画2作で取り戻した格別な存在感

2025年06月05日 映画 #ユ・アイン

映画『スンブ:二人の棋士』と『ハイファイブ』(原題)が、薬物騒動を起こした俳優ユ・アインの「麻薬リスク」を乗り越えつつある。

【画像】テレビで公開されたユ・アインの超豪華自宅

それぞれの作品においてユ・アインの存在感は隠しきれず、だからこそ彼のスキャンダルがより痛切に響く。

韓国映画振興委員会の映画館入場券統合ネットワークによると、ユ・アインが主演を務めた映画『ハイファイブ』は、早期大統領選が行われた6月3日に17万3107人、翌4日に4万4516人の観客を動員した。これにより『ハイファイブ』は累計観客動員数68万8735人を記録し、4日連続でボックスオフィス1位を維持している。

『ハイファイブ』は、5月から続く海外映画の攻勢のなかで、韓国映画のプライドを守る存在になりつつある。先に公開されたトム・クルーズ主演の『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』が13日連続で1位を記録し、観客動員数200万人を突破したなか、それに続く形で公開された『ハイファイブ』は一時的に1位の座を譲ったものの、すぐに巻き返し、勢いを取り戻している。

映画『ハイファイブ』、右から2人目がユ・アイン
(写真提供=NEW)映画『ハイファイブ』、右から2人目がユ・アイン

ユ・アインの存在感

何よりも『ハイファイブ』は、主演俳優のひとりであるユ・アインが常習的な薬物使用の疑いで裁判を受けているなかで公開された作品だ。

ユ・アインは今年2月、控訴審で懲役1年、執行猶予2年、罰金200万ウォン(約20万円)の判決を受けて釈放された。ただし、検察が控訴審判決を不服として上告状を提出しており、最高裁で最終判断が下される。

つまりユ・アインの薬物事件は、現在進行形だ。これを受けて『ハイファイブ』のカン・ヒョンチョル監督は、観客に不快感を与える可能性があることを認めつつも、物語の流れやキャラクター間の「ケミストリー」を考慮し、編集を最小限に抑える決断をした。

その努力の成果か、ユ・アインは作品内に自然に溶け込み、『ハイファイブ』は静かに順調な滑り出しを見せている。

(写真提供=OSEN)ユ・アイン

今年3月に公開された『スンブ』もまた、ユ・アインのリスクを耐え抜いた作品といえるだろう。

『スンブ』は、囲碁棋士チョ・フニョン(演者イ・ビョンホン)9段と、その弟子イ・チャンホ(演者ユ・アイン)の物語を描いている。公開直前にユ・アインが釈放されたことで、彼がプロモーション活動に参加するかどうかに注目が集まったが、制作側はスキャンダルを考慮し、イ・ビョンホンを単独主演として前面に押し出した。

イ・ビョンホンに託した『スンブ』の選択は成功だった。公開当時、3週連続で週末のボックスオフィス1位を維持し、損益分岐点である180万人を突破。最終的には累計観客214万人を記録した。現在はNetflixで配信されており、話題性を持続している。

イ・チャンホ役を演じたユ・アイン
(写真=『スンブ』スチールカット)イ・チャンホ役を演じたユ・アイン

両作品とも、2022年にユ・アインの常習薬物使用疑惑が浮上した当時、公開時期が宙に浮くなど困難に直面していた。しかし、その危機はむしろ好機となった。両作品ともに再点検の時間を経て、観客の不快感を最小限に抑えつつ、ストーリーラインを損なわない絶妙な落としどころを見つけ出したのだ。

両作品がヒットするほどに、ユ・アインに対する惜しさも増していく。

『スンブ』では天才囲碁棋士イ・チャンホの苦悩を繊細かつ抑制された感情で表現し、『ハイファイブ』では角膜移植を経て電磁波を操る超能力を持つキドンという役を、悪童的な魅力で演じた。

まるで自分の服を着ているかのように役にフィットしていたため、今や世間との間に隔たりが生まれたユ・アインのスキャンダルが、より痛切に感じられる。

それでも映画界には、徐々にユ・アインを受け入れる空気が広がっている。彼は『スンブ』を通じて、第23回ディレクターズカット・アワードで男優賞候補にノミネートされた。

最高裁の判決はまだ残っているが、ユ・アインの復帰の可能性も見え隠れし始めている。

◇ユ・アイン プロフィール

1986年10月6日生まれ。本名オム・ホンシク、韓国・大邱(テグ)出身。2003年のドラマ『四捨五入』でAraの恋人役を演じ一躍有名に。デビューから1年でファンミーティングが開催されるほど異例の速さで人気を高めるが、芸能活動を一時休止。2006年から活動を再開し、様々なドラマや映画で助演を務める。2010年のドラマ『トキメキ☆成均館スキャンダル』で強い存在感を発揮し、ドラマ『ファッション王』『チャン・オクチョン』『密会』、映画『ワンドゥギ』『ベテラン』『王の運命 -歴史を変えた八日間-』『バーニング 劇場版』『#生きている』などの話題作に出演した。

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