“未婚の母”を選んだ日本人タレント藤田小百合が育児バラエティ番組に出演することとなり、議論が巻き起こっている。
結婚せずに精子の提供を受けて母となった藤田小百合が、KBSの育児バラエティ番組『スーパーマンが帰ってきた』(原題)に出演することと関連し、「正しい家族観に悪影響だ」という主張が登場した。
去る3月29日、韓国大統領ホームページに設置された国民請願の掲示板には、「非婚母の出産を助長させる地上波放送を直ちに中断してください」というタイトルの文章が投稿された。
その国民請願では「公営放送は正しい家族観を提示し、結婚と正常な出産を奨励する番組を作らなければならない」「青少年や青年に非婚出産という非正常な方式が、まるで正常であるかのように感じさせる日本女性を登場させるべきではない」などとし、藤田小百合に否定的な意見を提示した。
極端な意見ともいえるその国民請願には3月31日15時現在、3400人が賛同している。また3月30日には一部の市民団体がKBS社屋の前で集会を行ったりもした。
各種オンラインコミュニティでは議論が続いている。
ネット上には「国民請願の内容には批判すべきところが多いが、出産は婚姻で結ばれた男女間でなされるべき」といった声から、「誰が“まともな家族”を定義するのか」「未婚者も子供を産む権利がある」との主張もあった。
KBSの関係者は『聯合ニュース』に「サユリ(藤田小百合)の『スーパーマンが帰ってきた』出演が非婚を奨励するという主張は過度なものだ。時代が変わりながら多様な家族の形態が生まれており、サユリ家族もそのひとつ」とし、「家族のなかのひとつの形態を観察するだけで、非婚を奨励する意図はない」と強調した。
先立って『スーパーマンが帰ってきた』の制作陣は3月23日、「サユリが新しいスーパーマンとして合流する」と伝え、「まだ撮影前で、具体的な放送時期は未定」と明かした。『スーパーマンが帰ってきた』は、有名人の父親が48時間、育児を担当する姿を扱った番組。母親が主要出演者として出演する事例は、今回が初めてだ。
なお藤田小百合は、2007年の韓国KBS2『美女たちのおしゃべり』(原題)で顔を知らせ、MBC『さゆりの食い意地旅行』(原題)、MBC every1『素敵な旅!おいしい地図』(原題)シーズン2、On Style『ボディアクチュアリ』(原題)など、多数の番組に出演してきた。
2020年11月に日本で息子を出産。精子の提供を受け、自発的に未婚の母となることを選んだと明かした。
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