オスカー有力候補作『ミナリ』で母親のモニカ役を熱演した女優ハン・イェリ(36)。彼女は「この作品を通じて親世代をもう少し理解することができた」と切り出した。
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リー・アイザック・チョン監督による愉快で温かい物語は、観客に“家族”存在を思い浮かばせる。
ハン・イェリは「私の世代と比べて、親世代はもっと若い頃から育児を始めたケースが多い。夢や実力を社会で認められる前から家庭を築くので、自分の成長や夢、自我の実現とともに育児に対する苦悩もあったんだと感じた。今はそういうことを理解するようになった」と語った。
ハン・イェリが考える家族の意味は何だろうか。彼女は「最後まで努力すべき関係だと思う。当たり前に作られたが、当たり前ではない関係という感じがする」と言う。
『ミナリ』では祖母と孫の関係が重要な部分を占めている。そのため、ハン・イェリも祖母との思い出に浸ったそうだ。
「おばあさんのことをすごく思い出した。幼い頃から舞踊をしていたので、おばあさんは私に会うたびに『痩せすぎだわ』と心配していた。私が食べたいものを言えば全部用意してくれた。私の食べっぷりを見たくて、料理が絶えなかった。私の劇中の子供たちと同じく、おばあさんに花札を学んだ。そういう思い出がたくさん蘇って、愛されていたんだと改めて感じた」
ハン・イェリは『ミナリ』でエンディング曲の歌唱にも初挑戦した。
「映画に役立つことなので、何でもやろうと思って歌うことになった。それだけでもありがたいのに、オスカーの主題歌賞予備候補に上がるなんて、想像もしてなかった」という彼女は、「映画のエンディング自体も温かくて良い。彼らはそんなふうに逞しく暮らしていくのだろう、と安堵する。そのエンディングが、最も私たちらしいエンディングだと思う」と満足を示した。
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