「死んだら突然、“良い人だった”みたいに手の平を返すのはおかしい」
韓国芸能界に衝撃が走った。
俳優のソン・ヨンギュさんが8月4日午前8時ごろ、京畿道・龍仁(ヨンイン)市の集合住宅に停められていた車内で、亡くなった状態で発見された。警察は「他殺の可能性はない」と発表している。
ソン・ヨンギュさんは今年6月19日、飲酒運転の疑いで在宅起訴され、検察の捜査を受けていた最中だった。報道によると、彼は「本当に申し訳ない。自分でもどうかしていたと思う。一瞬の過ちで全てを台無しにしてしまった」と謝罪の言葉を残していたという。
突然の訃報が伝えられると、ネット上ではソン・ヨンギュさんの死因について、「誹謗中傷が関係していたのではないか」という声が上がっている。
なかには、「有名人が何か一つ過ちを犯せば、まるで鬼の首を取ったようにコメントで叩くくせに、死んだら突然、“良い人だった”みたいに手の平を返すのはおかしい」といった指摘も見られた。
こうした反応は、これまで多くの韓国芸能人が“極端な選択”をした際と何ら変わっていない。直接的な死因は明らかになっていないものの、誹謗中傷が原因の一端となった可能性は拭えない。
実際、ソン・ヨンギュさんの関係者も「悪意ある記事やコメントに心を痛めていた。周囲の状況も非常に厳しかった」と語っている。
「俳優は天職だ」と信じ、長い無名時代を耐えてきたソン・ヨンギュさん。2019年の映画『エクストリーム・ジョブ』で一躍注目を集めたが、“役者としての生きがい”を得たのはほんの束の間だった。そんな彼が、あまりにも早すぎる最期を迎えてしまった。
誹謗中傷を軽く扱い、死を興味本位で消費するような世論や空気感も、彼の死に対して無関係とは言い切れない。
こうした痛ましい出来事は、いつまで繰り返されるのだろうか。それすらもまた、深く嘆かわしい現実である。
【相談窓口】
一般社団法人日本いのちの電話連盟(電話、メール相談可能)
TEL:0570-783-556=ナビダイヤル 午前10時から午後10時まで
■【写真】「AV男優じゃない」誹謗中傷で韓国男性アスリートが死去
前へ
次へ