性犯罪者が「公平性」がどうたら、しかも未成年に…韓国歌手のYouTube追放に対する訴えがおかしいと言える理由

2024年09月01日 話題

未成年への性暴行で実刑を受けた歌手コ・ヨンウクのYouTubeアカウントが閉鎖された。コミュニティガイドラインに違反したという理由からだ。

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コ・ヨンウクは悔しさを訴えるとともに、運営に異議申し立てまでしたという。

8月5日、コ・ヨンウクはYouTubeチャンネルを開設して社会との疎通を開始した。彼は「Go!ヨンウク GoDog Days」というチャンネルを作り、Xに「恥ずかしい人生を送りました…家で愚痴をこぼしながらひどく老けているようで、無気力な日常から抜け出すために、とりとめもなくユーチューブを始めてみます…猛暑のなか、健康に気をつけてください!」と宣伝したのだった。

開設されたチャンネルの紹介欄には、「孤高の男と犬たちの日常…高感性のEmbracing solitude with my dogs…」と書かれていた。そして初めての映像のタイトルは「Fresh」で、コ・ヨンウクの未公開曲をBGMに愛犬を映したものだった。

だが、決して許されない犯罪者のチャンネル開設は、当然の如く世間には受け入れられなかった。

コ・ヨンウクの犯した罪

コ・ヨンウク
(写真提供=OSEN)コ・ヨンウク

未成年に性暴行し、“電子足輪1号芸能人”という不名誉なタイトルまで得た彼の活動復帰に抗議が殺到するのは、至極当然のことだろう。

コ・ヨンウクは2010年7月から2012年12月まで、自身の住居と乗用車で未成年3人に計4回にわたって性暴行などをした容疑(児童・青少年保護法違反)で起訴された。当時13歳だったAさん、17歳のBさんに対して性的暴行、強制わいせつの疑いで検察の調査を受けていた状況で、14歳のCさんを自身の乗用車に乗せて強制わいせつした疑いまで加わることに。結局、裁判所は2013年にコ・ヨンウクに懲役2年6カ月、3年間の電子足輪装着、5年間の身元情報公開・告知を宣告した。

その後、刑務所で2年6カ月間を過ごしたコ・ヨンウク。2015年7月に満期出所すると、「ここで反省の時間を持った。これからは新しい心構えで生きる」とし、「私の人生で耐えられないことだったが、失望させて申し訳ない」と心境を伝えた。以降、3年間の電子足輪装着、5年間の身元情報公開を全て終えた2020年11月、インスタグラムを開設し、出所後、大衆と初めて疎通を試みた。

一度目の復帰チャレンジ

インスタグラム開設当時、彼は「9年近く断絶した時間を過ごしている。生きている限り、ずっとこのように過ごすことはできないので、慎重に世の中と疎通しながら生きようと思う」と伝えた。しかし、インスタグラムは有罪判決を受けた重大な犯罪者がアカウントを作ったり活動すること自体が約款上禁止されている。そのため、コ・ヨンウクのアカウントもすぐさま削除された。

インスタグラムから追放されたあと、コ・ヨンウクはあるYouTubeチャンネルのインタビューに応じ、「前科がある人は、最初から世の中に出てくるなという風な、どこかに行って死ねというような話はかなり力が抜けた」「私が非難を受けなければならないのは当然だが、最初から社会に出てくるなということを私がどのように受け入れるべきか分からない」と悔しさを表したりもした。

このようにして一度目の復帰に挫折したコ・ヨンウクは、4年ぶりに再びチャレンジ。Xは性犯罪者のアカウント開設に対する規制がないため、彼のXアカウントは依然として活性化されている。彼があれほど望む、“疎通”のための窓口はすでに用意されているわけだ。

コ・ヨンウク
(写真提供=OSEN)コ・ヨンウク

そして満を持して開設されたYouTubeチャンネル。世間からの非難を予想していたのか、コメント欄は最初から閉鎖された状態だった。しかし、窓口のXから大衆の怒りが殺到。

コ・ヨンウクのユーチューブ広報文の引用窓には、「アルゴリズムで偶然出そうで怖い」「未成年者に性暴行したので恥ずかしいことは当然だ。ところで何のために出てくるのか」「電子足輪を外したからといって、すべてが許されたわけではないのに」「チャンネルを通報しよう」という反応があふれた。

コ・ヨンウクはすでに、地上波各局の出演禁止リストに名を連ねている。だが、現代においてユーチューブの波及力はテレビを凌駕したと言っても過言ではない。単身世帯やテレビを持たない家も増え、ユーチューブや配信サービスで番組を見ることが普遍化しているためだ。しかし、ユーチューブの場合はアカウントやコンテンツが凶悪犯罪に関連していない以上、ユーザーが過去の凶悪犯罪記録があるということだけでアカウントを停止させない。

もちろん、だからといって凶悪犯罪者に対する永久停止事例がないわけではない。結局、多くの人々の抗議により、コ・ヨンウクのチャンネルは開設から18日後の8月23日、ガイドライン違反を理由に閉鎖されることとなった。

すると、コ・ヨンウクはもう一度悔しさを訴えた。「夜中に私のYouTubeチャンネルが閉鎖されたようですね。前科者という理由だけで、有害なコンテンツを掲載したわけでもないのに、ユーチューブ側にない規定を一つの個人にだけ適用させることができるのか…。法の処罰は全部受けたが…。誰かはできて誰はだめで、果たしてこれが公平性に合うのか…」と反発。加えて26日には、運営元のグーグルにアカウント削除に対する異議申請をしたという。

YouTube追放への抗議がおかしいと言えるワケ

ユーチューブはチャンネルが閉鎖されれば理由を説明するメールが送信されると公示したが、チャンネル閉鎖に対する詳しい説明を聞くことができなかったというのがコ・ヨンウクの立場だ。

結局、コ・ヨンウクの主張は自身の行為に対するすべての法的処罰を受け、前科者という理由だけでアカウントを閉鎖させることは不当だということだ。しかし、明らかなことは法的処罰を受けたからといって、過去の罪や被害者の傷が消えるわけではない。法的処罰と道徳的責任は別物だ。

コ・ヨンウク
(写真提供=OSEN)コ・ヨンウク

あえて「世の中と疎通」を口実に、全世界の不特定多数が見るかもしれないインスタグラム、ユーチューブで公開的な活動をしようとするのは、大衆の関心と愛を受けたいという意味だろう。だが、社会通念上、反発が起きるのは当然であるにもかかわらず、やたらに自身の主張を押し通そうとする姿勢は呆れるばかりだ。

また、同じ前科者でも自分だけ閉鎖されており、呼応平成が保たれていないという主張にも共感することは難しい。グーグル本社があるアメリカでは、未成年者を対象にした性犯罪は、性犯罪の中でも非常に深刻な重罪として扱われる。

グーグルの立場としては、未成年3人を相手に何度も罪を犯したコ・ヨンウクが、他の犯罪者と同一線上に置かれることがむしろ公平性に合わないわけだ。未成年者性犯罪疑惑で有罪判決を受け、電子足輪まで着用した人物が、不当待遇を主張して無念さを訴えたとしても、世間は「良心もないのか」という言葉しか返せないということを今は悟る必要があるようだ。

記事提供=OSEN)

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