日本とも戦うU-23韓国代表が“ワンパターン攻撃”解決への課題を抱えている。
ファン・ソンホン監督率いるU-23韓国代表は4月17日(日本時間)、カタール・ドーハのアブドゥッラー・ビン・ハリーファ・スタジアムで行われたU-23アジアカップ(パリ五輪アジア最終予選)グループB第1節でUAEに1-0で勝利した。
この日、韓国のボール支配率は7割を超え、常にハイラインで攻勢をかけた。
アジアサッカー連盟(AFC)提供のヒートマップでも、韓国の最終ラインはハーフウェイライン付近で形成されていた。UAEが最終ラインを下げていたこともあるが、それだけ韓国が攻め立てていた意味でもある。
U-23韓国代表は今大会で“ベストメンバー”を構築できなかった。
大会直前、チームの中心選手と期待されたMFペ・ジュノ(20、ストーク)をはじめ、MFヤン・ヒョンジュン(セルティック)、DFキム・ジス(19、ブレントフォード)と、各ポジションの主力を担う欧州派が、所属チームの招集拒否により合流失敗となったのだ。
特に、ペ・ジュノの合流失敗は大きなマイナス要素だ。
ペ・ジュノはトップ下を主戦場とし、創意性のあるパスを通じて攻撃をけん引する選手だ。チームの攻撃を活性化するパスと動きで、U-23韓国代表で欠かせない存在だった。
本来は、ペ・ジュノがあらゆるパターンプレーの始発点となるはずだった。そして、彼の空白による影響がUAE戦で明らかになった。
AFCによると、韓国の攻撃の大半はセットプレーやサイドからのクロスを通じて行われた。実際、後半アディショナルタイムに生まれたFWイ・ヨンジュン(20、金泉尚武)の決勝点もコーナーキックからのヘディングシュートだった。
韓国はコーナーキック7本中6本が成功し、UAEは2本のうち成功が1本にとどまった。
オープンプレーでのクロス回数も韓国がUAEを圧倒するなど、大半の攻撃展開が空中戦掌握によって行われた。
鋭いパスがなかったわけではない。先発出場した左サイドバックのDFチョ・ヒョンテク(22、金泉尚武)は、ペナルティエリア内に4度キーパスを送り込んだ。
しかし、単調な攻撃パターンだけでは長い大会を戦うのに限界がある。
相手の密集守備を突破するためには、スペースを開けて走り込んだり、相手の組織を乱したりできる創造性豊かなパスが必要だ。
そのため、ペ・ジュノやヤン・ヒョンジュンのような選手が合流できなかったのが残念だ。
韓国はUAE、中国、日本と同じグループBに入っている。今大会では上位3カ国がパリ五輪にストレートインし、4位国はアフリカ勢のギニアとの大陸間プレーオフに進む。
相手の脅威となる攻撃は見せたものの、単調な攻めの克服が新たな課題に上がった韓国。世界記録更新の10大会連続五輪出場を成し遂げるためには、より多様な攻撃オプションを用意しなければならない。
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