10年以上ともにした“同伴者”である元通訳・水原一平氏の賭博事件の被害者だと主張する大谷翔平(29、ロサンゼルス・ドジャース)がいよいよ自らの口を開くことになった。
『ロサンゼルス・タイムズ』などのアメリカ現地メディアは3月25日(日本時間)、「大谷が26日に行われるロサンゼルス・エンゼルスとのフリーウェイ・シリーズを控え、最近起きた水原一平氏の賭博事件に対して初めて立場を発表するだろう」と報じた。
ドジャースでは今月20~21日、ソウルの高尺(コチョク)スカイドームで行われたMLBレギュラーシーズン開幕2連戦の最中、大谷の通訳でありマネージャーとして注目を集めてきた水原氏が解雇通知を受けた。
水原氏には違法スポーツ賭博をしたという疑いが持たれている。
ブックメーカーのマシュー・ボウヤー氏が連邦政府の捜査を受けている途中、水原氏がボウヤー氏の運営する賭博業者に少なくとも450万ドル(日本円=約6億7500万円)の借金をしていたことが発覚した。これを捜査し追跡していた『ESPN』は、昨年に大谷の口座からボウヤー氏の口座に50万ドル(約7500万円)が数回送金されたという事実を明らかにした。
これに対し水原氏は、『ESPN』の独占インタビューで「大谷に私の状況を説明した。大谷は気分が良くなかったが、このような問題が二度と起こらないように私を助けてくれると言った。私は借金を返すために送金をしなければならないと言ったし、大谷はそれが違法なのかどうか尋ねもしなかった」と明らかにした。
ところが、『ESPN』がこれを記事にする直前、大谷の弁護人側が「水原氏が大谷のお金を窃盗した。大谷は大規模な窃盗被害者だ」と反論した。すると、水原氏本人も「大谷は賭博の借金を知らなかったし、お金を送金しなかった」と発言を覆した。水原氏は「大谷は決して賭博に関与していない」と、大谷の関与に線を引いた。
ただ、現地メディアの間では「大谷が水原の違法賭博を知らなかったはずがない」とし、大谷が関与した疑惑を絶えず提起した。これに対し、MLB機構も大谷と水原氏の事態を注視し、真相調査に着手した。
アメリカの連邦法によると、大谷が直接賭博に関与しなかったとしても、水原氏の違法賭博の事実を知っていながら、借金を代わりに返すために送金をしたとすれば、違法賭博に関与したという疑惑を受け、処罰対象になり得る。
だが、“ミズハラ事件”の始発点であるボウヤー氏は、継続的に「大谷とはまったくの一面識もない」と一貫して主張しており、大谷が直接的に賭博にかかわったといういかなる証拠も見つからなかった。
『USAトゥデイ』のボブ・ナイチンゲール記者は「大谷が罰金以外の懲戒を受ける可能性はまったくない。大谷の最も大きな犯罪は、違法賭博業者の借金を返すためにお金を送ることが違法だということを知りながら、賭博に陥った親友を助けようとしたことかもしれない」とし、出場停止などの重懲戒はないと見通した。
大谷側とほかの現地メディアは、ソウルシリーズ第1戦終了後、水原氏がクラブハウスで自身が違法賭博で調査を受けており、記事が出るという事実を明らかにし、許しを請うまで大谷がこの事実をまったく知らなかったと伝えた。
水原氏は大谷が金を返したという話をすると、大谷は後になって状況を把握し、その後“ミズハラ事件”の顛末を知ることになったという。
北海道日本ハムファイターズ時代の2013年から縁を結び、2018年のMLB進出以降も通訳の領域を越え、個人マネージャーとして行動をともにし、頼りにしたキャリアのパートナーである水原氏。その彼に大谷は一瞬にして裏切られ、また欺瞞までされたのだ。
結局、大谷は水原氏との“断絶”に乗り出した。
大谷のいるところには常に水原氏がいた。2人はビジネス関係以上の友情と信頼関係を築いていた。
しかし、大谷は水原氏が自分を欺こうとした事実に裏切られた気持ちが大きかったようだ。SNS上で水原氏に関する投稿をすべて削除した。 そして、この事件について自ら口を開くことにした。
25日、エンゼルスとのフリーウェイ・シリーズを控え、ドジャースのデーブ・ロバーツ監督は「大谷は記者会見をした方が良いと思う。私は彼が知っていることをすべて話し、全体的な状況について彼の考えを明らかにすることができて嬉しい。それが我々にもう少し明確な事実を知らせてくれると思う」とし、大谷の記者会見のニュースに支持を送った。
水原氏が違法賭博に関与し、また大谷を利用したというニュースが伝えられた後、新しい疑惑が溢れ出ている。『NBCロサンゼルス』は23日、水原氏の学歴詐称疑惑を提起した。同メディアは「水原氏はカリフォルニア大学リバーサイド校を卒業したと知られているが、同大学に確認した結果、水原氏の在籍記録はなかった」と報じた。
水原氏は日本で生まれたが、幼い頃に両親とともにアメリカへ移住し、アメリカ国内で大学までのすべての学業を終えたとされている。
(記事提供=OSEN)
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