2024年シーズンの韓国Kリーグは3月1日に1・2部ともに開幕する。韓国では、3月1日は「三一節」として祝日に定められている。
日本人選手も1・2部合わせて8人がプレー。1部は江坂任(蔚山HD FC)をはじめ神谷優太(江原FC)、吉野恭平(大邱FC)の3人、2部は佐藤優平(全南ドラゴンズ)、高橋一輝(富川FC 1995)、小塚和季(水原三星ブルーウィングス)、三幸秀稔(忠北清州FC)、杉田祐希也(慶南FC)の5人という顔ぶれだ。
そんなKリーグで、2024年シーズンから新たに変更となる点をいくつか紹介しよう。
Kリーグ選手の正規及び追加登録期間が、合計16週間以内の範囲で弾力的に運営される。
これまでは正規登録が毎年1月1日からの12週間、追加登録がシーズン中に韓国プロサッカー連盟が指定した期間の4週間だったが、今年からは正規登録は「1~3月中に最低8週間~最大12週間」、追加登録は「シーズン中に最低4週間~8週間」と策定された。
これは、Kリーグの追加登録期間終了後も周辺国のライバルリーグの選手登録期間が続くことから、主要選手の海外リーグ移籍時に選手を補強する機会が足りない点を考慮したものだ。
なお、2024年の正規登録期間は1月1日から3月8日まで、追加登録期間は6月20日から7月31日までと定められている。
Kリーグ選手の最低基本給の年額が、既存の2400万ウォンから2700万ウォンへと引き上げられる。
基本給の引き上げは、2020年に最低基本給の年額2000万ウォンが2400万ウォンへと引き上げられて以来、4年ぶりだ。
これは、低年俸選手の福利増進と物価上昇の傾向を考慮したものだ。
Kリーグ1においては、試合出場エントリーの最大人数が従来の18人から20人に拡大される。
これによって、先発出場する11人に加え、控え選手数が最大7人から最大9人に増加する。
ただし、Kリーグ2では運営費増加の影響を考慮し、従来の18人が維持される。
試合出場エントリーに記載できるコーチングスタッフ、チームスタッフの人数は、従来は最大11人だった。
ただ、外国籍選手枠の拡大に伴う通訳スタッフ増員の必要性と、Kリーグ1の試合出場エントリー最大人数拡大に伴い、今年からベンチ入り可能な人数が最大13人に増加される。
22歳以下の選手が試合に出場しない場合、交代枠の枚数を差し引く「U-22選手義務出場規定」が、2024年シーズンよりKリーグ1に限り一部緩和される。
これは2021年シーズンより交代枠が3人から5人に増加し、2024年シーズンからKリーグ1の控え選手数が従来の最大7人から最大9人に増加する状況を考慮した変更だ。
Kリーグの「U-22選手義務出場規定」は、2023年シーズンまで以下の方式で運営されていた。
△22歳以下の選手が先発出場しない場合:「交代枠2人」
△22歳以下の選手が1人だけ先発出場し、追加で交代出場がない場合:「交代枠3人」
△22歳以下の選手が2人以上先発出場するか、1人先発出場して1人交代出場した場合:「交代枠5人」
ただし、2024年シーズンからは以下の方式に変更となる。
△22歳以下の選手が出場しない場合:「交代枠3人」
△22歳以下の選手が1人先発出場し、追加で交代出場がない場合:「交代枠4人」
△22歳以下の選手が先発出場せず、途中交代で2人以上出場する場合:「交代枠4人」
△22歳以下の選手が2人以上先発出場するか、1人先発出場して1人交代出場した場合:「交代枠5人」
なお、Kリーグ2では現行の「U-22選手義務出場規定」が2024年シーズンも維持される。
キックオフ直前の急な悪天候や試合会場の施設問題、観客トラブルなどに対応するためのキックオフ時間延期規定が新設された。
該当する事由が発生した場合、マッチコミッショナーは例えキックオフ直前の場合でも、試合会場の情況を総合的に考慮し、審判団の意見を聞いてキックオフを延期することができる。
試合延期の手続きは1次、2次の各30分ずつ2回まで可能で、その後も試合開催が不可能な状況の場合は当日の試合を中止とし、翌日に再試合する方式で行われる。
・ユースチーム所属選手含め、各チームの選手に対する心肺蘇生法教育が年1回で義務付けられる。
・Kリーグ2のテレビ中継チャンネルに、韓国プロサッカー連盟直営チャンネル『MAXPORTS』も加わる。このため、韓国国内ではKリーグ2のテレビ中継が『MAXPORTS』『生活体育TV』『BALL TV』『IBスポーツ』『GOLF&PBA』『SMTスポーツ』で行われる。『スカイスポーツ』も、主要試合を別チャンネルと同時中継する予定だ。
(文=ピッチコミュニケーションズ)
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