“永遠のライバル”韓国と日本がともに歴代屈指の選手をそろえたなか、アジアカップ史上初の「日韓戦決勝」は実現されるのだろうか。
アジア最高権威のサッカー国家対抗戦であるアジアカップは、韓国と日本だけでなく、イランやサウジアラビアなど伝統の中東強豪のほかにオーストラリアまで、そうそうたる国々が優勝トロフィーをかけて争う。
そんな大会で「日韓戦決勝」を望むのは両国のファンだけではない。日本と韓国以外、アジアの大多数のファンも共感している。
それだけ、アジアを超えて欧州ビッグリーグで大活躍を見せる選手を多く擁しているからだ。
韓国と日本のライバル関係をよく理解しているアジアサッカー連盟(AFC)も、「日韓戦決勝」が実現するとなれば、近年にない“興行”を記録するものと期待している。
ユルゲン・クリンスマン監督が率いる韓国は、直近の国際Aマッチ6連勝とともに7試合連続無失点を記録するなど、その勢いは上昇傾向にある。
序盤はクリンスマン監督の勤務態度問題など紆余曲折もあったが、FWソン・フンミン(31、トッテナム)、MFイ・ガンイン(22、パリ・サンジェルマン)、DFキム・ミンジェ(27、バイエルン・ミュンヘン)などビッグリーガーの安定的な調和を基に雰囲気を一変させた。
彼らに代わる“プランB失踪”に対する憂慮の声は存在するが、クリンスマン監督の計画通り、主力が負傷することなくプランAを稼働することができれば、十分に優勝も可能と言える。
一方、2022年カタールW杯以降も森保一監督に指揮を託した日本は、韓国のように欧州屈指のビッグクラブでプレーする選手は多くないものの、FW浅野琢磨(29、ボーフム)、MF久保建英(22、レアル・ソシエダ)、FW堂安律(25、フライブルク)、MF南野拓実(29、モナコ)、DF冨安健洋(25、アーセナル)などが柱となる、韓国と違って、プランA、プランBともに競争力を持っているという評価だ。
日本は直近の国際Aマッチ10連勝中で、同期間に45ゴールと圧倒的な火力を誇っている。
それも格下だけを相手にしたのではない。ドイツを4-1、トルコを4-2、カナダを4-1、チュニジアを2-0と、各大陸の強豪国を相次いで破っている。
韓国と日本の最精鋭メンバー同士での対決は、13年前の2011年アジアカップ準決勝が事実上の最後と言える。
その年には札幌で“日韓戦”を行い、韓国が0-3で完敗を喫したことがあるが、当時の韓国は精神的支柱として活躍したMFパク・チソン(42)、DFイ・ヨンピョ(46)が引退したばかり。さらには、MFイ・チョンヨン(35、蔚山HD FC)、FWチ・ドンウォン(32)、ソン・フンミンなど欧州の主力も負傷で来られなかった。
だからこそ、今回のアジアカップで“夢の対決”を期待する声が多いわけだ。
韓国と日本はグループステージの編成上、ともに首位通過の場合は決勝戦でしか対戦するチャンスがない。それだけに、正面対決を繰り広げるためには、ともに多くの山場を越える必要がある。
韓国はグループEでバーレーン、ヨルダン、マレーシア、日本はグループDでベトナム、イラク、インドネシアと同組に所属している。大きな異変がなければ、両国は首位で決勝トーナメントに進出するだろう。
ただ、韓国は首位通過した場合、決勝トーナメント1回戦突破後の準々決勝で、グループC1位が有力なイランと対戦する可能性がある。
韓国はイランとの直近の国際Aマッチで4試合無敗(1勝3分)を記録しているが、通算成績では10勝10分13敗と劣勢にある。これまで重要な岐路でも、イランに足を引っ張られたことがある。
日本としても、準決勝でオーストラリアやサウジアラビアと対戦する可能性がある。
果たして、多くのサッカーファンが待ちわびる「日韓戦決勝」は実現されるのか。両国の戦いを楽しみにしたい。
(構成=ピッチコミュニケーションズ)
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