カタールW杯での勝利は偶然ではなかった。
森保一監督率いるサッカー日本代表は9月10日(日本時間)、ドイツ・ヴォルフスブルクのフォルクスワーゲン・アレーナで行われたドイツ代表との国際親善試合で4-1の大勝を収めた。
日本は前半11分にFW伊東純也(30、スタッド・ランス)のゴールで先制。同19分にFWレロイ・サネ(26、バイエルン・ミュンヘン)に同点弾を許したが、直後の同22分にFW上田綺世(24、フェイエノールト)が勝ち越しのゴールを決めた。
そして、1点リードで迎えた後半には終盤にFW浅野拓磨(28、ボーフム)、MF田中碧(25、デュッセルドルフ)が追加点を記録し、3点差の完勝に成功した。
日本は昨年のカタールW杯グループステージでもドイツを2-1で破った。それ以来、約10カ月ぶりのリターンマッチでも再び勝利し、当時の勝利が偶然ではないことを証明した。
何より、今回はドイツに乗り込んでのアウェイゲームであり、相手もほぼ100%のベストメンバーを組んでいただけに、勝利が持つ意味は大きい。
日本は国際親善試合で直近3連勝をマークし、勢いに乗っている。今年6月にはエルサルバドル代表を6-0、ペルー代表を4-1で撃破した。来年1月にカタールで行われるアジアカップを控えて好調を維持し続けている。
日本とともにカタールW杯でベスト16入りした韓国代表とも比較される。
韓国はW杯当時、日本と同じくグループステージを突破する成果を上げたが、パウロ・ベント前監督と決別して以降は迷走が続いている。
ドイツ代表ストライカーとして活躍した元スター選手のユルゲン・クリンスマン監督が新たに就任したが、直近5試合連続未勝利の沼に陥っている。
さらに深刻なのはクリンスマン監督の「職業倫理」だ。
韓国に居住していないのはもちろん、代表とは関係ない仕事の方に関心を示しており、外遊に集中し続けている。指揮官の態度と誠実さを憂慮する深刻な状態といえる。
一方、日本はベスト16に導いた日本人指揮官の森保監督を続投させるなど、一貫性のあるチームを作り上げている。2018年から指揮を執る森保監督はすでに5年目を過ごしている。
今回の欧州遠征のメンバー構成を見ると、日本は海外組が大多数を占めている。26人中、国内Jリーグの選手はたった4人だけだ。
欧州組だけで4~5チームを作れるほど、多くの選手が積極的に欧州に進出した結果が、現在の国際Aマッチの成績に繋がっているともいえる。
かといって、選手構成だけで見れば韓国も日本に劣っているわけではない。
むしろキャプテンのFWソン・フンミン(31、トッテナム)をはじめ、DFキム・ミンジェ(26、バイエルン・ミュンヘン)やMFイ・ガンイン(22、パリ・サンジェルマン)など筆頭にしたベストメンバーのクオリティは日本と対等だと言っても過言ではない。
韓国は来るアジアカップで1960年の第2回大会以来、64年ぶり3度目の優勝を目指している。
アジアの頂点に向けて優れた選手を保有しているが、現状では韓国のアジアカップ挑戦は悲観的だ。チームを率いる監督が能力ではなく態度を疑われているからだ。
W杯以降、監督と日本の歩みが大きく食い違っているなか、アジアカップに対する視線は期待から心配へと変わりつつある。
(構成=ピッチコミュニケーションズ)
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