韓国プロ野球選手協会に、理事会の提案に対する明確なビジョンが求められている。
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11月28日に第6回理事会(オーナー会議)が開催され、韓国プロ野球の活性化に向けた制度改善方案について議論がなされた。
理事会は、選手たちの自由で活発な移籍のために、FA資格獲得までの期間を短縮し、FA等級制の導入とともに補償制度を緩和することにした。また、韓国プロ野球所属選手の最低年俸引き上げや負傷者リストの導入、1軍エントリー人員数の拡大施行など、主要な改善案について話し合われた。
理事会の決定を受けた選手協会が、韓国プロ野球委員会(KBO)と良好な交渉関係を築くには、個人の利益を超えるビジョンを提示しなければならない。
KBOが導入を目論む各球団の運営費用削減の努力に積極的に賛同しつつ、同時に収益を上げられる方法を提示するのだ。国内市場にとどまらず、海外進出によってリーグの競争力を引き上げる方法を探す必要がある。
現状、韓国プロ野球の選手たちは大卒8年、高卒9年以上プレーすれば、ポスティングシステムを利用して海外挑戦ができる。しかし改善案では、それぞれの期間を1年短縮するとされている。
選手協会側の要求は各球団の理解関係が異なることもあり、意見の合意に到達するには時間を要すると見られている。
ならば、FAではない海外進出の門戸を開放する方に意見を傾けてはどうか。大卒で5年、高卒で6年以上1軍で活躍した選手たちは、ポスティングシステムを利用し海外挑戦の資格を得られる形態だ。
選手個人の競争力確保も可能であり、スタープレイヤー不在によるアマチュア制度の変化も見込める。もちろん、海外の選手たちが韓国プロ野球に進出する障壁も下げるべきだ。短期的な成果にすがりつく球団の立場も理解しなければならない。
選手たちが海外進出を目論む最たる理由はお金だ。海外でも対等に渡り合える実力があれば、韓国プロ野球よりもはるかに多い大金を得られる。
今冬にキム・グァンヒョン(SKワイバーンズ)のメジャー進出が話題となったが、メジャーのみならず日本のプロ野球でも劣らないほどの金額を稼ぐことができる。
もう一つは、世界の野球の流れを把握することだ。世界の野球の変化の速さを痛感させられたプレミア12を通じて、韓国プロ野球がいかに「井の中の蛙」であるかを切実に感じ取れた。
また、日本代表の投手陣を見て、日本のプロ野球でも活躍したオ・スンファンやイ・デホらが去ったあと、日本のプロ野球への関心が薄れていることを改めて実感させられた。
韓国プロ野球選手たちの海外進出を何が何でも防ぐ理由はないように思える。選手協会がKBOと競うのであれば、球団やフロントが到底できることのない国際競争力強化のためのカードを取り出すことも1つの戦略になりえる。
自分たちのポケットばかり気にしているという批判から抜け出すには、選手協会の執行部がより視野を広げる必要がある。
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