韓国代表イ・ガンインのパリ行きは、“富と名誉”の両方を手にするという点で非常に大きな意味を持つ。
スペインメディア『マルカ』は7月4日、イ・ガンインのPSG移籍交渉が完了したと報じた。PSGはマジョルカに移籍金2200万ユーロ(約35億円)を支払い、イ・ガンインの獲得に成功したという。
PSGはイ・ガンイン以外にも、リュカ・エルナンデス(27)、マヌエル・ウガルテ(22)、マルコ・アセンシオ(27)、シェール・ンドゥール(18)の獲得交渉も終えたとされており、現地時間4日、あるいは5日に彼らの加入を公式発表する予定だ。
イ・ガンインは今回のPSG加入で、移籍金の20%を直接受け取ることとなる。
というのも、2021年、当時所属していたバレンシアは外国人枠を確保するためイ・ガンインをフリーで手放したのだが、代理人はマジョルカとの交渉で今後発生する移籍金の20%を選手が受け取る条項を契約書に組み込んでいた。そのため、PSGが支払った移籍金のうち440万ユーロ(約7億円)を別途受け取ることとなる。
そしてフランス現地の報道によると、イ・ガンインの年俸は400万ユーロ(約6億3000万円)と予想されている。マジョルカでの年俸が約40万ユーロ(約6200万円)だったことを考えると、飛躍的な上昇だといえる。イ・ガンインを無料で獲得したマジョルカも、移籍金の80%である1760万ユーロ(約28億円)を得る見込みだ。
これでイ・ガンインは、韓国人選手の歴代移籍金ランキングで2位に位置付けることとなる。1位は、2015年にレバークーゼンからトッテナムに移籍したソン・フンミン(30)で、3000万ユーロ(当時約41億円)だった。ただ、今夏にナポリからバイエルン・ミュンヘンへの移籍が確実視されているキム・ミンジェ(26)の価格は、歴代1位の5000万ユーロ(約79億円)と予想されている。
好待遇でフランスへと向かうイ・ガンインは、莫大な富に加え、PSGの一員という名誉まで得る。PSGは欧州でも屈指のビッククラブだ。フランス・リーグ1は4大リーグ(イングランド、スペイン、イタリア、ドイツ)には含まれていないが、UEFAクラブランキングではマンチェスター・シティ、バイエルン・ミュンヘン、チェルシー、リヴァプール、レアル・マドリードに次ぐ6位に位置付けている(2023年6月発表の最新ランキング)。
PSGというビッククラブが、少なくない移籍金で獲得したという事実だけでも、イ・ガンインの価値を計ることができるだろう。彼は昨シーズン、ラ・リーガで6ゴール6アシスト、1試合当たりのキーパス1.5回、ドリブル成功回数2.5回という驚異的な記録を残した。サイド、中央、最前線と複数の攻撃的なポジションで才能を遺憾なく発揮し、リーグ最高レベルの攻撃的MFとして名を広めた。
ポリバレント性に加え、弱点だったスピード、フィジカル、守備での貢献度を補完したことで、一段階の選手に成長。PSGだけでなく、アトレティコ・マドリード、マンチェスター・シティなどの強豪も関心を示すほどだった。
PSGの最大の目標は、UEFAチャンピオンズリーグの優勝だ。リーグ1では一強状態だが、欧州最高峰の舞台ではまだ優勝経験がない。2019-2020シーズンは準優勝、2020-2021シーズンはベスト4、そして直近2シーズンはベスト16で早期敗退している。
そのため、イ・ガンインはPSGの悲願達成に向けた中核メンバーとして獲得されたとしてもおかしくはない。優秀な選手が多く、競争は避けられないが、2200万ユーロの移籍金でユニホームを着るだけに、十分な出場時間が与えられる可能性が高い。また、年齢も22歳と若く、CLで期待通りの活躍を見せれば、さらに上のクラブが目をつけることもあるだろう。
イ・ガンインはすでにラ・リーガで“検証済み”の選手だ。マジョルカではベダト・ムリキ(29)以外に信頼できるFWがいなかったため、1試合当たりのキーパスを1.5回も記録したにもかかわらず、アシストを6回しか記録できなかったのを見れば、同僚の助けがどれほど足りなかったかを推し量ることができる。
だがPSGでは状況が異なる。ネイマール(31)は残留が有力で、その他にも優れたチームメイトが揃っている。富、名誉、ピッチ上での数字など、PSG行きは様々な面でポジティブなものとなるだろう。
(構成=ピッチコミュニケーションズ)
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