“八百長”疑惑で中国公安に拘禁中の選手も…クリンスマン監督が6月の国際Aマッチ招集理由明かす【一問一答】

「拘禁は私も心が痛い、100%サポートするという意味」

「日本が羨ましい」韓国代表DFのホンネ

6月の国際Aマッチ2連戦(ペルー、エルサルバドル)を迎えるサッカー韓国代表は、中国公安に拘留され、3週間も捜査を受けているソン・ジュンホ(31、山東泰山)を招集リストに含めた。

クリンスマン監督は6月5日、ソウル新門路(シンムンロ)のサッカー会館で、国際Aマッチ2連戦の代表23人を発表した。ここにはソン・ジュンホも含まれていた。

中国で八百長に関与した可能性が囁かれたソン・ジュンホは現在、公安から捜査を受けている。中国外務省は彼について「非国家工作員収賄罪」の容疑で取り調べを受けていると発表した。韓国サッカー協会は現地の状況を把握するため、チョン・ハンジン経営本部長と社内弁護士を中国に派遣するなど、対応に乗り出している。

(写真提供=韓国サッカー協会)クリンスマン監督

クリンスマン監督は今回、招集できるか不透明なソン・ジュンホを代表メンバーに入れた。「協会レベルで最大限支援している。正確に彼の肉体的、精神的状態を知ることはできない。しかし3月の2試合で見せたプレーはチームにとって懐かしいだろう」とし、「祈り、最大限彼が家に帰れるよう最善を尽くすのが、私たちがしなければならない役割だ。ソン・ジュンホにもそういうことを知ってもらいたい」と話した。

無理をしてでも含めたのではないかという見解に対しては「私たちが100%サポートしていることを知らせたい。実際、このリストは来週召集する際に変わる可能性もある。なぜなら、(招集前まで)Kリーグは平日、週末の試合が残っている。負傷などが発生する可能性がある」と述べている。

ほかにも今回は、複数の新顔を選んでいる点も注目だ。守備面では、負傷や基礎軍事訓練入所などで抜けたキム・ヨングォン(蔚山現代)、チョン・ウヨン(アルサッド)、キム・ミンジェ(ナポリ)らの代わりに、パク・ヨンウ(蔚山現代)とアン・ヒョンボム(済州ユナイテッド)らを選出。また、攻撃面ではベルギーリーグで大活躍中のホン・ヒョンソク(ヘント)を抜擢した一方で、Kリーグ1(1部)得点ランク首位のチュ・ミンギュ(蔚山現代)は選ばれなかった。

ソン・ジュンホ(左)

なお、昨年のカタールW杯で韓国をベスト16に導いたパウロ・ベント監督の後任として、今年から韓国A代表の監督に就任したクリンスマン監督は、去る3月の国際Aマッチ2連戦(コロンビア、ウルグアイ)で初陣を飾った。ただ、当時は就任から間もなかっただけに、W杯ベスト16のメンバーを中心にチームを構成していた。デビュー戦のコロンビア戦(3月24日)を2-2で引き分け、続くウルグアイ戦(3月28日)は1-2で敗れた。

そして今回の試合は、自身が志向する攻撃的なサッカーを表現する本格的な場となる。また、2024年1月に予定されているカタールアジアカップ本選に備える予定だ。

クリンスマン監督との一問一答は以下の通り。

―6月の国際Aマッチとは違う23人の名簿を構成したが。

試合はいつも楽しみだ。今年3月、コロンビアとウルグアイの2試合をしたが、良い試合をした記憶がある。もちろん試合は良かったが、結果は得られなかった。6月の2試合では、もう一度選手を知り、(アジアカップなどを)準備する場になるだろう。この2カ月間、(ヨーロッパで)多くのクラブを訪れて選手たちと会った。キム・ミンジェがイタリア・セリエAでスクデットを勝ち得たことは、韓国代表の監督として誇らしかった。彼は一生その記憶の中で生きていくことになるだろう。また、トッテナムでソン・フンミン、(セルティックのアウェー戦)キルマーノックでオ・ヒョンギュの試合も見た。オ・ヒョンギュは後半の交代カードとして活躍したが、優勝トロフィーも多く持ち上げ、得点も多かった。そしてホン・ヒョンソクもいる。今季、(ベルギー)リーグでかなり良い成績を残した選手だ。彼に直接会うなど、忙しい2カ月を過ごした。代表では若い選手も育てなければならない。杭州アジア大会に備えるU-23歳の代表監督ともコミュニケーションを取っている。まず最も重要なことは、(1月の)アジアカップや、それまでにどのように変わるか見守るのも興味深いだろう。

―ソン・ジュンホがリストに含まれた。中国公安に拘留された状態で捜査を受けているが?

かなり私も心が痛い。協会レベルで最大限支援している。引き続きソン・ジュンホを応援し、助ける。正確に彼の肉体、精神状態を知ることはできない。しかし、今年3月の2試合で見せてくれた実力は、チームとしては懐かしいだろう。祈り、できるだけ彼が家に帰れるように最善を尽くすのが私たちの役割だ。ソン・ジュンホにもそのようなことを知ってもらいたい。

―もし国際Aマッチの前に拘留が解けても、正常なコンディションではなさそうだが。

私たちが100%サポートしていることを知ってもらいたい。実際、このリストが来週の召集直前に変わる可能性もある。なぜならば、(招集前まで)Kリーグは平日、週末の試合が残っている。負傷などが発生する可能性もある。U-23代表の中国との親善試合もある。変化の中で最善の選択をする。

―守備的MFの変化が目立つ。ウォン・ドゥジェ、パク・ヨンウが含まれ一方で、W杯ベスト16メンバーのチョン・ウヨンは外れた。

チョン・ウヨンはシーズン後に小さな手術を受けたため、今回は呼べなかった。ヨーロッパに行く前にKリーグの試合をたくさん見たが、金泉尚武の試合も見た。尚武という軍チームの特徴があるが、多くの勉強をした。コーチ陣とも話をし、直接見た選手を抜擢することになった。チャ・ドゥリアドバイザーの助言も受けた。

―今回、U-23代表との調整もあったと聞いているが。

(U-23代表監督の)ファン・ソンホンだけでなく、(U-20代表監督)のキム・ウンジュンとも話したことがある。U-20代表は出国前の練習試合も見た。我々のリストからはフライブルクのチョン・ウヨンが抜けているが、そのような部分(U-23合流)を語ることができる。ファン監督は難しい点が多いことを知っている。9月にも引き続き対話する。チョン・ウヨンはU-23に行っているが、負傷者が発生すれば私たちが必要になるかもしれない。

―キム・ミンジェとキム・ヨングォンはそれぞれ基礎軍事訓練と負傷で抜けているが、どう備えるのか?代わりにアン・ヒョンボムを抜擢した理由は。

代表監督として負傷や予期せぬ状況など常に難しい。私の役割は、与えられた環境で最善の選択をすることだ。3月に比べて守備陣の変化が大きい。代表での持続性、リズムが観についてほしいが、この6月は難しそうだ。アン・ヒョンボムは直接試合を見たわけではない。土曜日に見る予定だ。スピードがあるし、一対一に強く、サイドでのプレーもいいと(聞いている)。その点はイ・ガンインも同じだ。そのような選手を見ると気分がいい。新しく来る選手がうまくやってほしい。緊張するかもしれないが、選手との対話を通じて、100%能力を発揮できるようにするのが私の役割だ。

―今までKリーグの試合を見ながら感じた点は?代表チームのプールはどれくらい?

新しいリーグを観戦することは興味深い。Kリーグでたくさん学んでいる。各クラブの選手、指導者のスタイルを学んでいる。どのリーグでも、いい試合もあるし退屈な試合もある。最大限(代表の)プールは狭めようと思う。また、個人的には年齢別代表はA代表の選手を輩出する基盤となる(と思っている)。17歳、20歳、23歳、この選手たちが今後どれだけ成長し、A代表になれるかを見守るのも興味深いだろう。

6月の国際Aマッチ2試合を戦う韓国代表メンバー23人は以下の通り。

―GK

キム・スンギュ(アル・シャバブ/サウジアラビア)

チョ・ヒョヌ(蔚山現代)

ソン・ボムグン(湘南ベルマーレ/日本)

―DF

パク・ジス(ポルティモネンセ/ポルトガル)

キム・ジュソン(FCソウル)、

クォン・ギョンウォン(ガンバ大阪/日本)

アン・ヒョンボム(済州ユナイテッド)

キム・ジンス(全北現代)

イ・キジェ(水原三星ブルーウィングス)

ソル・ヨンウ(蔚山現代)

―MF

ソン・ジュンホ(山東泰山/中国)

ホン・ヒョンソク(ヘント/ベルギー)

ウォン・ドゥジェ(金泉尚武)

ファン・インボム(オリンピアコス/ギリシャ)

イ・ジェソン(マインツ/ドイツ)

パク・ヨンウ(蔚山現代)

イ・ガンイン(マジョルカ/スペイン)

ソン・フンミン(トッテナム/イングランド)

ファン・ヒチャン(ウルヴァーハンプトン/イングランド)

ナ・サンホ(FCソウル)

―FW

ファン・ウィジョ(FCソウル)

チョ・ギュソン(全北現代)

オ・ヒョンギュ(セルティック/スコットランド)

(構成=ピッチコミュニケーションズ)

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