“Jリーグ未経験”の日本人選手が、韓国Kリーグ1(1部)の舞台で活躍を続けている。
大邱(テグ)FCのDF鈴木圭太(25)は5月9日、本拠地DGB大邱銀行パークで行われたKリーグ1第12節の浦項(ポハン)スティーラーズ戦で先発出場し、貴重な同点ゴールを決めた。
本来のポジションである左ウィングバックではなく、一列前の左ウィングとして出場し、自らの役割を果たした。
試合は前半20分に浦項の先制を許したが、同37分に鈴木が左足のミドルシュートをゴールネットに突き刺した。ただ、得点直後の鈴木はあまり嬉しがっていないようだった。
「FWとして出場したからには、必ずゴールを決めなければならないと思っていました。個人的には得点できて嬉しかったですが、引き分けてしまって残念です。必ず勝たなければならないと考えていたので、嬉しがるよりは試合に集中していました」
1997年12月20日生まれの鈴木は、大阪府の桃山学院高校を卒業後にモンテネグロへ留学し、2016年にトライアウトを通じて同国2部のFKイバルでプロデビューした。
その後、モンテネグロではFKベラネ、FKポドゴリツァにも在籍。ポドゴリツァ在籍時の2021年7月にはUEFAヨーロッパカンファレンスリーグ(UECL)の予選1回戦にも出場した。そして、昨シーズンから韓国に渡り、大邱の一員としてKリーグを戦っている。
Kリーグ1年目の昨季は、AFCチャンピオンズリーグ(ACL)グループステージで浦和レッズ相手に決勝ゴールのアシストをするなど活躍を披露したが、リーグ戦では27試合出場で1ゴールも挙げられなかった。
だが、今季はここまで10試合に出場し、すでに2ゴールを決めている。
何より、Kリーグ特有の激しいフィジカルバトルにも積極的に挑んでいる。これは大邱率いるチェン・ウォングォン監督も認める部分だ。鈴木自身、「ピッチ上で余裕ができました。メンタル的にもそうで、ミスをしてもまたやり直せば良いという自信がつきました」と、変化した背景を語った。
鈴木は主にサイドのDFとしてプレーするが、これまでの2ゴールはいずれもFWとして出場した試合でマークした。それだけ攻撃的な才能も持ち合わせているという意味だ。指揮官も「今後もケイタ(鈴木のKリーグでの登録名)を攻撃的に起用する考えだ」と明かしている。
「高校時代までFWだったので、(FWでの)出場に負担はありません」という鈴木だが、「FWでも大邱は守備をしっかりこなさなければなりません。守備が上手くいかなかった部分が残念です」と自身のパフォーマンスを振り返った。
チェ監督の鈴木に対する信頼は厚い。「監督が自分を起用してくれることを嬉しく思う」と語った鈴木は、「監督に自分のことをアピールするために全力を尽くしています。個人的には多くの試合でプレーし、できるだけ多くのアシストを記録したいです」と今後の意気込みを伝えた。
なお、大邱は次戦、敵地の光州(クァンジュ)サッカー専用球場で光州FCとのKリーグ1第13節を戦う。
(構成=ピッチコミュニケーションズ)
Copyright @ 2018 Sportsseoul JAPAN All rights reserved.
前へ
次へ