敵将も責めなかったが、ソン・フンミン(トッテナム)は衝撃と失意に肩を落とした。
トッテナムはプレミアリーグ第11節エバートンとのアウェー戦に、1-1で引き分けた。先発出場したソン・フンミンは後半17分に先制ゴールをアシストして、気勢を上げた。
しかし後半33分、バックタックルで退場処分を受けた。
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ソン・フンミンはアンドレ・ゴメスの突破を阻止しようと、深いタックルをした。ソン・フンミンのタックルで転倒したゴメスは、セルジュ・オリエと衝突して大怪我を負った。
主審は当初、ソン・フンミンにイエローカードを与えたが、ゴメスの負傷具合を確認した後、直ちにレッドカードを出して退場を命令した。
ゴメスの負傷を確認した選手たちは一斉に背を向けた。ソン・フンミンも自責の念に苛まされ、涙も見せた。
エバートンの選手たちがソン・フンミンを慰めたが、無駄だった。苦しんでいたソン・フンミンはコーチングスタッフに助けられてピッチを後にした。
ソン・フンミンはミックスゾーンでも沈痛な面持ちで何も言わず取材陣の前を通り過ぎた。
エバートンのキャプテンであるシェイムス・コールマンは試合終了後、トッテナムのロッカールームを訪れ、衝撃に陥ったソン・フンミンをなだめたという。
チームメイトのデリ・アリは「彼(ソン・フンミン)の過ちではない。彼は顔を上げられないほど激しく泣いていた」と、衝撃を受けたソン・フンミンの状況を伝えた。
トッテナムのマウリシオ・ポチェッティーノ監督は、「ソン・フンミンは途方に暮れた。平常心を保つのが難しかった。(ソン・フンミンのタックルは)故意ではなかったし、不運だった」とソン・フンミンをかばった。
敵将マルコ・シウバ監督も「ソン・フンミンを個人的に知っているのではないが、悪い意図があったとは思っていない。彼がそんな行動をしたくはなかったため、悲しみに陥ったと思う。意図を持っていないことを100%確信する」とソン・フンミンをかばった。
一方、エバートンのファンがソン・フンミンの退場過程で人種差別的な言動を取ったため、エバートンが調査に乗り出した。
エバートンは公式声明を発表し、「あらゆる形での人種差別を強く批判する。このような行動はスタジアム、コミュニティのどこであろうと起こってはならない」と強く糾弾した。右足首を骨折したゴメスは手術を受ける予定だ。
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