“韓国のイチロー”が日本に羨望の念…代表強化へトップに進言「もっと招集して、試合させてほしい」【WBC2023】

3月14日午後に仁川(インチョン)国際空港を通じて韓国に帰国したイ・ジョンフは、到着後24時間も経過していない翌15日朝、キウム本拠地のソウルの高尺(コチョク)スカイドームに姿を現した。キウム率いるホン・ウォンギ監督が「私より早く来た」と舌を巻くほどだった。

イ・ジョンフは球場に着くやいなや、黙々と練習をこなしていた。そして、「しんどいことはない。(試合を)早くやりたい。明日から出場する」と伝えた。

今回のWBCで、イ・ジョンフは自らへの期待に応える十分な活躍を見せた。1次ラウンド全4試合に出場し、14打数6安打、打率0.429の5打点だ。四球は2つで、三振は1つだった。

また、出塁率は0.500、長打率は0.571で、2つを合わせたOPSは1.071に達した。“韓国球界の至宝”として、看板選手に相応しい成績を残した。

特に、10日の“日韓戦”では侍ジャパンの先発投手ダルビッシュ有(36、サンディエゴ・パドレス)相手に適時打を放つと、第2先発の今永昇太(29、横浜DeNAベイスターズ)にも二塁打を打った。今大会「最強」と言われる日本相手にも実力を発揮した。

しかし、本人は「ただの1試合だ」とし、“失敗”と伝えた。

高尺スカイドームで取材に応じるイ・ジョンフ

「(MLBへの)“ショーケース”とずっと言われてきたが、そうではない。チェコ相手によく打って、中国戦で頑張っても心から喜ぶことはできないのではないか。強い投手相手に上手くやらなければならなかった。日本戦1試合程度だ。ただの1試合だ。それでも日本戦で良い打球が出たという点は、小さな成果だと思う」

侍ジャパンの強さも認めた。「初めて球で、強力な球だった。打席で感じたとき、球のノビや球威が違った。制球も違った。(ストライクゾーンの)四隅を上手く利用していた。あまりにも大きな差で負けてしまった。認めることは認め、学ぶことは学ばなければならない」と強調した。

そして、“未来”を語った。3年後の2026年WBCではなく、まずは何よりも自分たちの実力を伸ばすことが先だと進言した。

「WBCで“雪辱”を語るべきではない。各自が気付いたことがある。僕もそうだ。実力をもっと上げることが先だ。弁解の余地はない。3年間でさらに成長しなければならない。日本に勝つためではなく、我々の野球のためにだ」

WBC日韓戦でのイ・ジョンフ(左)

また、代表の頻繁な強化試合の実施も提言した。

「日本は国際大会を毎年よく開いている。代表チームが自然によく集まる。僕らは選手たちが何とかできる部分ではない。KBOがしなければならないのではないか。招集されれば、選手たちは一生懸命プレーする。経験してみなければならない」

「東京ドームで試合をするのに5万人単位の人々が集まる。確実に雰囲気は違う。その雰囲気に押される。若い選手たちは経験がないので、緊張せざるを得ない。代表が頻繁に集まって国際大会を経験して、感じなければならない。そうしてこそ、大きな大会でも萎縮しない。経験が微々たるものだから、萎縮するしかない。KBOや協会のレベルで取り組むべきではないかと思う」

日本は野球代表チームを“侍ジャパン”というブランドに作り上げた。随時国際大会を開き、選手たちに経験を積ませている。単純にプロ野球が強いからではないという意味だ。

韓国も倣う必要がある。体で感じた選手が直接口を開いた。これからは“大人”たちが応える番だ。

(構成=ピッチコミュニケーションズ)

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◇イ・ジョンフ プロフィール

1998年8月20日生まれ。日本・愛知県名古屋市出身。身長185cm。韓国のプロ野球選手。キウム・ヒーローズ所属。父親は1998~2001年に中日ドラゴンズに在籍したイ・ジョンボム(李鍾範)。高校卒業後の2017年にプロデビューし、同年の新人王を受賞。ゴールデングラブ賞(NPBのベストナインに相当)に2018~2022年の5年連続で選ばれており、2022年はシーズンMVPと打撃5冠(首位打者、最多安打、最多打点、最高長打率、最高出塁率)に輝いた。2023年WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)に出場した。2023シーズン終了後のメジャーリーグ進出を表明している。愛称は「韓国のイチロー」。

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