村上は今大会、全4試合で4番打者として出場しているが、記録は12打数2安打2打点。打率は0.166に過ぎず、本塁打もない。本来持ち合わせている実力とはかけ離れた苦戦ぶりだ。
リードオフマンのラーズ・ヌートバー(25、セントルイス・カージナルス)は打率0.429、2番の近藤健介(29、福岡ソフトバンクホークス)は0打率0.427、そして3番の大谷翔平(28、ロサンゼルス・エンゼルス)は打率0.500と、いずれも4割を超えるなか、村上だけが沈黙している。
もし村上が打線で一役買っていれば、いずれの試合もコールド勝ちが可能だった。
1次ラウンドでは相手のバッテリーが大谷を敬遠し、4番打者の村上との勝負を選ぶ場面がよく見られた。
実際、大谷はそれほど怖い存在ではある。12打数6安打1本塁打8打点で、四球は7つ記録した。とはいえ、日本が誇る4番打者にとっては屈辱的だ。
そのためか、「大谷の逆効果」という解釈も出ている。大谷のバッティングがあまりにも桁違いなうえ、日本の全国民からとてつもない賛辞と応援を一身に受けている。相対的に、村上も活躍しなければならないというプレッシャーが働いたという分析だ。
来る3月16日に始まる準々決勝からは、負けたら即敗退の一本勝負だ。だからこそ、「日本の4番打者が生き返らなければならない」という声が上がる。
日本国民は村上のSNSに「顔を上げて頑張れ」と熱い応援を届けた。チームの大先輩ダルビッシュ有(36、サンディエゴ・パドレス)も、「人生の方が大事だから、野球くらいで落ち込む必要はない」と激励した。
村上は14日、東京ドームで行われたフリー打撃で柵越えを連発するなど、不振脱出を予告した。また、大谷の後ろで4番打者という役割を務めていることについても、「大きなモチベーションになる」と覚悟を示した。
来る準々決勝、イタリアとの大一番で村上のバットは快音を響かせることができるのだろうか。
(記事提供=OSEN)