W杯の退場劇きっかけに規定改正…韓国Kリーグが「出場停止中の監督の会見出席を禁止」にした背景

2023年01月19日 サッカー #Kリーグ

連盟規定第3章競技第37条にも、「制裁中の指導者も、試合前後に施行する記者会見及びフラッシュインタビューに参加しなければならない」と記載されていた。

しかし、今回の第1次理事会で議決された新しい規定によって、今後は監督公式会見やインタビューの際、監督が出場停止中であれば、アシスタントコーチなど業務代行者が出席しなければならなくなった。

この規定が成立したきっかけは、昨年に行われたカタールW杯で韓国代表を率いたパウロ・ベント監督の退場劇だった。

当時、連盟は内部関係者がW杯を継続的にモニタリングしただけではなく、副総裁や事務総長などがKリーグの各クラブ代表とW杯現地を訪問していた。主要な試合を観戦した以外に、国際サッカー連盟(FIFA)最高権威の大会であるW杯の運営システムを見て回り、ベンチマーキングの要素を探した。

そこで目を引いたものの一つがメディア運営システムだ。特に、出場停止処分を受けた指導者に対しては、グラウンド出入り禁止だけではなく、メディアとの接触も完全にシャットアウトされていたことに注目した。

ベント監督は当時、グループステージ第2節のガーナ代表戦終了直後、主審の判定に抗議してレッドカードを提示された。これにより、次節のポルトガル代表戦を観客席から観戦しなければならなかった。

ポルトガル戦で2-1の勝利を収めた韓国は、結果として劇的な決勝トーナメント進出に成功した。しかし、ベント監督はW杯の規定上、試合前後の公式記者会見とフラッシュインタビューに参加できなかった。ベント監督に代わり、監督代行を務めたセルジオ・コスタ・アシスタントコーチがメディアを相手にした。

ガーナ戦当時、レッドカードを提示されたパウロ・ベント監督

Kリーグ関係者は「これまで出場停止処分を受けた指導者をメディアの前に立たせてきたのは、懲戒を理由にファンが気になる質問を避けたり、消極的に対応したりすることがプロとして正しくないと考えたためだ。しかし、FIFAの運営方式を見た後、アジアサッカー連盟(AFC)の規定も調べたが、やはり(処分を受けた指導者の)メディア活動を一切禁止させていた。Kリーグも国際的な基準に従うことにした」と伝えた。

実際、AFC大会運営規定44条6項によれば、「監督が出場停止の際、参加チームはベンチで監督に代わる人が記者会見やインタビューに参加するようにしなければならない」と明示されている。

過去のKリーグでは、出場停止処分を受けた監督が試合前後で記者たちと会い、冗談を交えながら悔しさを表現する光景がよく見られていた。しかし、来る2月25日に開幕する2023シーズンからは、クラブごとに徹底した“口封じ”をしなければならない状況だ。

(構成=ピッチコミュニケーションズ)

Copyright @ 2018 Sportsseoul JAPAN All rights reserved.

【関連】洪明甫監督「天野は私が会った日本人の中で最悪」

「正直、日本が羨ましい」韓国代表選手のホンネ

【動画】惨敗の韓国代表、悲痛な帰国現場

前へ

2 / 2

次へ

RELATION関連記事

RANKINGアクセスランキング

PHOTO写真

TOPIC「BTS」特集