元巨人のイ・スンヨプ(李承燁)が、韓国プロ野球サムスン・ライオンズの次期監督候補に挙がっている。
イ・スンヨプは1995年から2003年、そして日本プロ野球から帰国後の2012年から2017年の間、サムスンで活躍し、“ライオン・キング”の愛称で親しまれた。
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本のプロ野球ファンの間では、2006年から2010年にかけて所属した巨人時代が懐かしい人もいるだろう。現在サムスンを率いるキム・ハンス監督は今年で契約満了となり、再契約の可能性は低い。
韓国野球委員会(KBO)広報大使を務めているイ・スンヨプが次期監督候補に挙がるのは自然な流れかもしれないが、問題は就任する“時期”だ。
サムスンは2011年から4年連続でレギュラーシーズン優勝を果たした当時、“王朝”とも呼ばれていたが、今季を含めた3年間は9位→6位→8位と下位に沈んでいる。
王朝復権のために次期監督候補の人選に着手したものの、サムスンは誰に監督を任せるべきか苦悩している様子だ。
当初は内部昇進が有力だった。
当面の間はチン・ガプヨン現コーチが監督を務め、その後イ・スンヨプにバトンタッチするという流れだ。しかし、チームを団結させ長期的に優勝まで見据えられる戦力を整えなければならない今、サムスンに間をつなげるような悠長な時間はない。
だが、イ・スンヨプははたして次期監督として適任なのか。
“イ・スンヨプ監督”に対して、現実的な可能性は高くないという見方が大半だ。本人もいずれは指導者としてサムスンに戻る意思は強いものの、今すぐに監督を務めるのはリスクが大きい。
何よりも現在、サムスンは戦力が整っているわけではない。イ・スンヨプに限らず、誰が監督になろうと、来シーズン中に上位争いするチームに作るのはあまりに厳しい状況だ。監督として十分な結果を残せなければ、イ・スンヨプに対するファンの失望も大きいだろう。
さらにKBO広報大使として野球を観る視野が広まったとはいえ、イ・スンヨプにはプロでの指導者経験がない。
長い間サムスンで活躍したとはいえ、監督と選手とでは野球の見方も異なる。選手がそうであるように、監督としても経験を積むことが必要不可欠なのである。
懸念材料が多いとはいえ、サムスンにとってイ・スンヨプが次期監督候補の最有力であることは変わらないだろう。球団の“レジェンド”イ・スンヨプを最後のカードとして使えば、チームを再整備する大きな原動力になる可能性は十分にある。
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