「カネ」か「選手のニーズ」か…韓国代表が早くも次期監督選びに頭を悩ますワケ

キム元委員長の意図は的中した。彼らは体系的かつ科学的なトレーニングプログラムを選手に提供した。ベント監督の在任期間中、代表に招集された選手は一様にトレーニングセッションを高く評価した。国内の指導者には見られないハイレベルなシステムが良い反応をもたらした。

一貫性を維持した点も信頼を得た重要な要素だ。

ベント監督は就任初期から、主導的かつ能動的で自分たちがボールを長い時間保有するサッカーをしなければならないと主張し続けた。自身の哲学に合わせて練習と戦術を樹立し、完成度を高めていった。

時にはピンチもあったが、ベント監督はじめ選手たちは一つになり、一つの目標に進んでひたすら前に進んだ。その結果、W杯本番で12年ぶりのベスト16入りという快挙を成し遂げた。

現在の韓国代表の主力はほとんどが欧州でプレーしている。FWソン・フンミン(30、トッテナム)をはじめ、FWファン・ヒチャン(26、ウォルヴァーハンプトン)、DFキム・ミンジェ(26、ナポリ)、MFイ・ガンイン(21、マジョルカ)、MFイ・ジェソン(30、マインツ)、FWチョン・ウヨン(23、フライブルク)、FWファン・インボム(26、オリンピアコス)、FWファン・ウィジョ(30、オリンピアコス)などは、すでに先進的な舞台で優秀な指導者とスタッフの教えを受けている。

彼らは一様に、自身の所属チームとベント監督体制の代表チームで指導法に大きな差がない、あるいはもっと良いと評価した。上記の選手内で代表引退をするほど年齢が上の選手はいない。結局、この選手たちが次期監督とも息を合わせなければならない。

ブラジル戦後、ソン・フンミンと抱擁するパウロ・ベント監督

ベント監督の後任を選ぶうえで最も考慮しなければならない点が、まさにここにある。

ベント監督の指導を受けた選手たちはすでに目が肥え、基準点も高くなっている。選手たちの目線に合った指導者を連れて来られなければ、内部で問題が発生しかねない。直ちにベント監督体制と比較するしかなく、能力によっては信頼を得られない可能性が高い。

現在の代表選手のニーズを充足させるのが、監督を選択する基準点にならなければならないという意味だ。指導者のスタイルに違いはあるだろうが、選手から信頼を得られるほどの実力を必ず持ち合わせていてこそ、新たな韓国代表をリードすることができる。

韓国サッカー協会はこの4年間、ベント監督らコーチングスタッフに支払った40億ウォン(日本円=約4億円)を上回る高額年俸に負担を感じていた。このため、スタッフ陣の規模が大きくない外国人監督や、国内の韓国人監督を後任に検討しているという。

組織の状況を考慮することは悪いことではない。ただ、協会が後任を選ぶにあたって優先順位をどこに置かなければならないのかはハッキリ決める必要がある。

仮に金銭面だけを考えて中途半端に監督を選んでしまえば、その“後遺症”に長く苦しむことになりかねない。

(構成=ピッチコミュニケーションズ)

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