全体練習が終了した後、マイケル・キム・コーチが「レッツゴー」と叫んでホテルに戻ろうと促すも、ファン・ヒチャンはこれに構わず最後までシュート練習に励んだ。
このカタールW杯期間で長い間実戦を戦えていないだけに、FWとして必要不可欠なシュート感覚を取り戻すため、必死に練習している様子だった。コンディションも良さそうに見えた。
ファン・ヒチャンは全力でシュートを試みるほど、トップコンディションに近い状態の良さを見せた。主には強く巻いたシュートを放て板が、ハムストリングに問題を抱えていた選手としては調子がよさそうだった。数回ゴールが決まらず、未練が残ったようにシュート練習を続けていたファン・ヒチャンは最後、とぼとぼとドレッシングルームに向かっていった。
ファン・ヒチャンは所属チームのウォルヴァーハンプトンでハムストリングを痛め、そのままの状態でカタールに来た。このため、グループステージでは現在まで行われた第1節と第2節をすべて欠場。去る28日のガーナ代表戦前には練習に復帰したが、コンディションが整わず出場が叶わなかった。
この日の練習状況だけ見ればポジティブな面があるが、かといって出場を楽観視するのは難しい。パウロ・ベント監督も「ファン・ヒチャンは所属チームでの負傷で代表招集後にも制約があった。時間が多くはないので試合日まで見守らなければならない。状況を判断して決める」と慎重な様子だった。
韓国代表に与えられた時間は数日もない。エデュケーション・シティ・スタジアムで行われるグループステージ最終節のポルトガル代表戦は12月3日0時(日本時間)キックオフだ。11月30日と12月1日の2回の練習を実施し、試合当日までコンディションを確認した後、ファン・ヒチャンが出場できるかどうかが決まる見通しだ。
2試合終えて1分1敗。崖っぷちに立たされた韓国代表には勝利が必要だ。引き分けや敗北はすなわちグループ敗退を意味する。ポルトガル戦がカタールW杯最後の試合になる可能性がある。
だからこそ必要なカードがファン・ヒチャンだ。例え100%ではなくても、試合に出場できるほどのコンディションであれば、チームにとっては大きな力を得る。
ファン・ヒチャンは韓国代表で最も破壊力にあふれ、猪突的な突破を持ち味とする選手だ。これまでの2試合ではMFナ・サンホ(26、FCソウル)やMFクォン・チャンフン(28、金泉尚武)、FWチョン・ウヨン(23、フライブルク)などが代役を務めたが、ファン・ヒチャンほど相手DFの負担をかけることはできなかった。
“突撃隊長”ファン・ヒチャンはポルトガル戦まで間に合うのか。グループステージ最終戦は前節レッドカードのベント監督がベンチ入りできないが、ファン・ヒチャンの出場可否も韓国代表にとって重要なイシューだ。
(構成=ピッチコミュニケーションズ)
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