思った以上に早く、中国を制圧している。キム・シンウク(上海申花)の力が確実に感じられる。
キム・シンウクは韓国Kリーグの全北現代を離れ、中国スーパーリーグの上海申花に移籍した後、3試合連続でゴールを決めた。河北華夏幸福と河南建業、北京人和を相手に得点を記録した。
どれも試合の流れに大きな影響を与えるゴールだった。3得点のうち2得点は頭で決めた。
直近の試合だった北京人和戦では、アクロバティックなボレーシュートでゴールネットを揺らした。左から上がったクロスが体の後ろに流れそうになったが、左足を伸ばして正確なシュートを放ち、大きな話題となった。
“全身が武器”であることを、わずか3試合で証明したわけだ。
キム・シンウクの早すぎる適応に、中国も驚いた様子といえる。『シナスポーツ』はキム・シンウクの北京人和戦での得点について、「ズラタン(・イブラヒモビッチ)のようにゴールを決めた」と絶賛した。
その他のメディアでも、キム・シンウクをスーパーヒーローのキャラクターである「アイアンマン」、あるいは「大型兵器」「やくざ者」「犯罪レベル」などと、極端な表現まで使って描写している。それだけキム・シンウクの活躍がインパクトを与えたと見ることができるだろう。
中国スーパーリーグは、世界的に有名なスーパースターが多い。
オスカルやフッキ(上海上港)、アレクサンドル・パト(天津天海)、パウリ―ニョ(広州恒大)など、ブラジルのスターたちが並んでいる。アルゼンチンのエセキエル・ラベッシやハビエル・マスチェラーノ(河北華夏幸福)もスーパーリーグで活躍している。
ヤニック・カラスコ(大連阿爾濱)、マルアン・フェライニ(山東魯能)のようなベルギー代表も布陣している。キム・シンウクが所属する上海申花は、イタリアのスターであるステファン・エル・シャーラウィまで迎え入れた。
彼らは名前と価格だけを見ると、キム・シンウクよりもはるかに知名度が高く、年俸も高い。しかし、いち早くチームに適応したキム・シンウクは、彼ら以上に強烈な存在感を示し、サッカーニュースの“定番”となっている。
とはいえ、キム・シンウクの迅速な適応は驚くべきことではない。
キム・シンウクは2009年の蔚山現代時代からアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)に出場し、中国の多くのチームと対戦してきた。中国代表とのAマッチにも4回出場した。過去10年間、中国の選手たちの守備に苦しんだ経験が豊富なのだ。中国のチームと中国の選手に対して、どう対処すればいいかを正確に把握しているといえる。
30代前半となって老練さまで手に入れたキム・シンウクは、今シーズンはコンディションも良かった。
キム・シンウクは去年の冬、体脂肪だけ5kg減量して軽い身体を維持した。そしてアジアで最高レベルのKリーグで、大きな活躍を広げた。シーズン途中に移籍したため、すぐに試合に出場して3試合連続でフルタイムを消化することができた。
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キム・シンウクの活躍もあり、上海申花は降格圏からの脱出に成功した。河北華夏幸福戦こそ敗れたが、続く2試合に勝利して連勝に成功した。上海が今シーズン連勝を収めたのは、4月7日以来、100日余りぶりのことだ。“キム・シンウク効果”を存分に感じている。
チェ・ガンヒ監督がなぜ巨額を投じて上海申花にキム・シンウクを迎え入れたのか。キム・シンウクはわずか3試合で証明した。
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