元阪神・呉昇桓が韓国通算350セーブ&日米韓通算1000投球回達成!プロ18年目の今年も「全盛期」【現地取材】

「400セーブを達成すれば、自分を褒めることができると思います」

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かつて阪神タイガースで活躍し、現在は韓国プロ野球KBOリーグのサムスン・ライオンズに在籍する投手オ・スンファン(呉昇桓、39)が、またしても大記録を達成した。韓国プロ野球通算350セーブという大台に乗ったのだ。

まさに前人未到の偉業であるが、意外にもオ・スンファンは淡々とした様子だった。そして、さらなる高みの“400セーブ”を口にした。そこまでたどり着いてようやく自分を祝えるというが、そのレベルはもはや“怖さ”まである。

オ・スンファンは5月19日、ハンファ生命イーグルスパークで行われたハンファ・イーグルスとの平日3連戦の最終戦で、サムスンが2-1とリードした10回裏に登板し、1イニング2被安打、1奪三振の好投で無失点に抑え、試合を締めくくった。

頼れるベテランの活躍でサムスンは今季22勝18敗を記録し、10球団中3位に浮上した。サムスンが今季3位に位置するのは実に42日ぶりのことだ。サムスンとして気分の良い一日となった。

今年40歳と思えないピッチング

オ・スンファンは今回の試合で11セーブ目を達成。今季17試合に登板、18.1イニングを投げ、2勝1ホールド1セーブ、防御率2.45を記録中だ。来る7月に40歳を迎えるにもかかわらず、ピッチングにまったく衰えが見られない。依然としてサムスンの絶対的守護神だ。

また、オ・スンファンは韓国プロ野球通算350セーブの大台に達した。リーグ全体でも300セーブ以上を記録した投手はオ・スンファンただ一人であり、当然、350セーブも史上初となる。

これまで日本で80セーブ、アメリカで42セーブを記録し、個人通算ではとうに350セーブを越えた。現時点で個人通算472セーブであり、驚異の500セーブ到達も見えている。

しかし何より、一つのリーグで350セーブを達成することは驚き以外の何物でもない。オ・スンファンに次ぐ韓国プロ野球歴代2位はソン・スンラクの271セーブと、80セーブ近く離している。

圧倒的であり、年齢による衰えも見られない。もはやどれだけ多くのセーブを記録するかがカギを握っている。

オ・スンファン

終わりも見えない。オ・スンファンは日米韓通算1000イニングも達成した。韓国で638.1イニング、日本で136イニング、アメリカで225.2イニングと、ちょうど1000イニングだ。

オ・スンファンが複数回を投げる先発ではなく、終盤の1~2回程度しか投げない抑えであることからも、1000イニングという数字の偉大さがわかる。2005年のプロデビューから今年で18年目。この間、ずっと韓国球界のトップを走ってきた。

「400セーブを超えたい」

そんな大偉業を果たしたオ・スンファンに、試合後話を聞いてみた。

オ・スンファンは淡々としていた。「350セーブというのは知っていた。周りの知人がずっと話してくれていたんだ。でも、日米韓通算1000イニングは知らなかった。試合が終わって初めてわかった。10回に緊迫した状況で登板したが、これまでもこうした状況でマウンドに上がってきた。特に意識はしていなかった」と、冷静に試合を振り返った。

そして、「350セーブも重要だが、私にとってはすべてのセーブに意味がある。私のセーブがすなわち、チームの勝利ではないか。チームが1勝したということがより大きく実感できる。400セーブを達成すれば、自分を褒めることができるのではないだろうか」と付け加えた。

ハンファ戦後、取材に応じたオ・スンファン

オ・スンファンは4月まで防御率3.38だったが、5月に入り防御率1.74と大幅な改善を果たした。

きっかけは今月8日のロッテ・ジャイアンツ戦。当時、オ・スンファンはサムスンが2-1とリードした8回裏二死の状況で登板するも、9回裏に同点に追いつかれてしまった。“ブロウンセーブ”だった。

責任を感じたオ・スンファンは、延長10回裏に再びマウンドに上がり三者凡退で抑えた。試合も4-2でサムスンが勝利した。これで、2.1イニングで44球を投げたオ・スンファンは勝利投手となった。この試合が、オ・スンファンの復調のきっかけとなった。

「ブロウンをしてチームに申し訳なかった。もちろん、正常な状況ではなかった。監督にも伝えて許可をもらった。翌日が休みだったからこそ可能な部分もあった。上手く締めることができて幸いだと思う。あの試合が転換点となった。球威も上がり、昨年以上に上手く行っている」と、オ・スンファンは笑顔を見せた。

そんなオ・スンファンは最後に、「最近こそずっとセーブが出ているが、あるときは1週間に一度セーブするのも難しいこともある。どうなるかわからない。ただ、出場した試合では無条件でセーブを果たしたい。セーブのチャンスを絶対に逃したくない。400セーブを超えたいし、“百の位”の数字を変えたい。そのためにも、体をしっかりと管理する必要がある」と覚悟を固めた。

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