2024年パリ五輪出場に向けて再始動した男子バレー韓国代表が、早くも戦力を失う危機に直面している。
というのも、韓国バレーボール協会(KVA)が大韓体育会に提出した男子代表メンバーリストに含まれたチョン・ジソク(27、大韓航空ジャンボス)のためだ。昨年にデートDV疑惑で取り調べを受けたチョン・ジソクの代表招集をめぐって、韓国国内では非難の声が続出している。
当時、チョン・ジソクはデートDVと器物損壊の件に対して起訴猶予処分を受けた。韓国バレーボール連盟(KOVO)はチョン・ジソクに罰金500万ウォン(日本円=約50万円)を賦課し、所属チームの大韓航空はチーム練習からの排除及び試合出場停止処分を下した。
その後、チョン・ジソクはコートに復帰し、大韓航空の2シーズン連続となる統合優勝に貢献するなど、主力として活躍を見せた。自他共に認めるVリーグ男子部最高の選手でありながら、大韓体育会が代表への招集を認めなかった場合、チョン・ジソクは代表に合流することができない。
大韓体育会は「強化訓練除外審議委員会」を開き、チョン・ジソクの代表資格の可否を審議する。同委員会は、大韓体育会が種目別の国家代表選手のうち、社会的に物議を醸した選手を代表から除外するための会議だ。
こうした状況で、男子バレー韓国代表を率いるイム・ドホン監督も頭を悩ませている。去る5日、本紙『スポーツソウル』の電話取材に応じたイム監督は、「大韓体育会の規定に従わなければならないのは事実だ。リストを作成する際に問題になるのかを調べた」とし、「今は結果を待つしかない立場だ。世論を無視することはできない」と述べた。
男子バレー韓国代表は、来る7月にソウルの蚕室(チャムシル)学生体育館で開催されるFIVB(国際バレーボール連盟)男子チャレンジャーカップを控えている。
男子代表が参加可能な大会のなかでランキングポイントが与えられる唯一の大会であり、パリ五輪出場を目指すにあたって絶対に乗り越えなければならない最低ラインだ。事実上の最後のチャンスとも言える。
そのため、イム監督は実力中心でメンバーを選んだことを強調していた。ところが、招集前から早くも構想がゆがむ状況にぶつかった。
イム監督は電話取材の最後に、「チョン・ジソクの招集が失敗に終わる場合に備えて代替招集も考慮している」と付け加えていた。
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