6月にウズベキスタンで開かれるアジアサッカー連盟(AFC)U-23アジアカップを控えたファン・ソンホン監督率いるU-23韓国代表が、合宿練習なしにそのまま試合に臨まなければならない状況に追い込まれた。
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U-23韓国代表チームは6月2日にマレーシアとグループリーグC組第1戦を行った後、ベトナム(6月5日)、タイ(6月8日)と相次いで戦う予定だが、ファン監督の悩みは尽きない。
というのも、チームは昨年10月にU-23アジアカップ予選を戦って以後、公式戦を一度も行ったことがないのだ。
昨年11月(キョンジュ)、今年1月(チェジュ)、今年3月(カンルン)に合宿を行い、数回にわたって国内チームと強化試合を行ったのがすべてだ。しかも、その強化試合も韓国代表の招集時期やKリーグの日程と重なり、ベストメンバーを一度も招集できなかった。
アジアカップ本大会を控えていても、状況はそれほど変わらない。
そもそも同大会に対して各クラブは選手を送り出さなければならない義務がない。そのため、ファン監督は最近、Kリーグの試合が開かれる度に2会場を訪ね回りながらクラブに派兵協力を要請している。
しかし、状況は容易ではない。今季Kリーグは、冬場にカタール・ワールドカップが開催される影響でKリーグ1(1部)、Kリーグ2(2部)ともに過密スケジュールだ。10月まで厳しい日程が続く。
しかも、順位争いも熾烈で昇格・降格争いもある。各クラブとしては主力選手の代表引き抜きに敏感になるしかない。まして義務付けのない年齢別代表チームに積極的になるわけがない。
U-23アジアカップ期間中もKリーグは開催中。マレーシアとの初戦を1週間前にした5月28日~29日にもKリーグの試合が予定されている。
また、6月にはパウロ・ベント監督率いる韓国代表がベストメンバーを招集する予定。そうなると必然的に、ファン・ソンホン監督はプランBで準備を進めていかなければならない。
ファン監督はベント監督と協議の末、6月は韓国代表優先、アジア大会が開かれる9月はU-23代表に配慮することで、お互いの選手選出に関する交通整理を終えた状態だ。
だからといって「ディフェンディング・チャンピオン(2020年優勝)」の資格で出場する今回のU-23アジアカップを無駄にすることはできない。
ファン監督の当面の目標はアジア大会3大会連続の金メダルだが、U-23アジアカップはそれに向けた重要な過程でもある。
ファン監督はKリーグ各クラブの監督たちと接触して協力を求め、ウズベキスタンへの早期招集・早期出国を望んでいる。
ただ、ファン監督によると「あくまでも早期招集するためには、週末の試合(5月28、29日)で我々の招集対象となっている選手たちの出場を諦める判断を各チームが下さなければならないのだが、それを強要もできない。事実上マレーシア戦直前に集まって出国しなければならない状況だ」という。
最悪の状況は、国際Aマッチ・ブレイクが始まる5月30日に初招集した後に直ちに出国、2日後にグループリーグ初試合を行なうことだ。
ファン監督は、イ・ガンインら海外で活躍する選手の選出にも力を入れている。「持続的に接触している」(ファン監督)らしく、少なくともウズベキスタン現地からでも合流することを望んでいるらしいが、果たして。
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