苦しみながらも結果は出している。Kリーグ1(1部)を5連覇中の韓国王者・全北現代(チョンブク・ヒョンデ)モータースが、粘り強い戦いぶりを見せている。
全北現代は現在、ベトナム・ホーチミンで集中開催されているアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)グループHの日程を消化している。
ここまでの成績は悪くない。第3節を終えて2勝1分の勝ち点7とし、グループ首位をマーク。2位の横浜F・マリノス(勝ち点6)とは1ポイント差の状況ではあるが、比較的余裕をもってグループステージを戦っていると言える。
もっとも、内容面で見ればそれほど満足することはできない。3試合いずれも全北現代が相手を圧倒することはなかった。
特に第2節の横浜FM戦では、支配率で30.8%対69.2%とし、シュート数でも9本対18本と2倍以上許すなど、前後半で相手に主導権を明け渡す展開となった。ただ、全北現代は破壊力のあるカウンターで横浜FMを苦しめ、守備でも集中力を発揮して無失点勝利に成功した。
続く第3節のホアンアイン・ザライFC戦でも、MFムン・ソンミン(29)が終了間際に劇的な決勝ゴールを決め、勝ち点3を獲得することができた。
一角では全北現代のパフォーマンスが期待以下だと批判する声もある。
この指摘は決して間違っていない。ただ、ACLのような短期決戦であれば、内容よりも結果の方がさらに重要だ。リーグ戦でこうした戦いぶりを見せているのであれば批判の対象になり得るが、舞台がACLであれば話は変わる。
蔚山現代(ウルサン・ヒョンデ)、大邱(テグ)FC、全南(チョンナム)ドラゴンズといった全北現代以外の韓国勢は同じグループステージで苦しんでいる。東南アジアの蒸し暑さ、制限された動線によるコンディション管理の難しさなど、あらゆる変数によってまともなパフォーマンスを見せられていない。
韓国勢のACLにおける第一の目標は決勝トーナメント進出だ。ひとまず結果を確保してグループを突破することができなければ、次の段階に進むことすらできない。6試合で生き残れるかどうかが決まる戦いであるため、1試合ごとのパフォーマンスを詳細に振り返る理由はない。
もちろん、内容が伴ったうえで結果を得られることができれば“錦上添花”と言えるが、今はどうにか結果を残してアジアの舞台で生き残りを果たし、韓国に戻ることが最優先課題だ。
残り3試合における全北現代の目標も変わらない。全北現代は本日(25日)、ホアンアイン・ザライとの2連戦目を戦った後、シドニーFC、横浜FMとの再戦を控えている。
全北現代を率いるキム・サンシク監督は、「折り返し地点を回った。2勝1分で希望する位置に上がることができ、各チームと1度ずつ戦ったことで長所と短所を把握することができた。選手のコンディションを維持し、ホアンアイン・ザライとの第4節では良い内容と結果で勝利したい」とし、「シュート数を増やして攻撃的なサッカーを披露し、多くのゴールが決められるように準備する」と目標を伝えた。
MFキム・ボギョン(32)も「今回のACLでは東南アジア勢の成績が目立っている。これまでの3試合を見ても、ホアンアイン・ザライのコンディションは良さそうだし、選手たちの実力も優れている」とし、「それだけ僕たちはしっかり準備をしなければならない。上手く準備をして連続で勝ち点を獲得できるよう努力する」と意気込みを語った。
■【一問一答】全北現代、横浜FM戦勝利は「選手の“勝ちたい”意志が強かった」
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