「苦しかった」
去る10月16日に天安総合運動場で行われたパナマとの親善試合終了後、ソン・フンミン(トッテム)が注目を集めた。“ソン・フンミン酷使議論”が出ている中でも黙々と鉄人のように強行軍を繰り広げた彼だったが、自らも限界と認めた格好だ。
しかし、それも仕方がないかもしれない。ソン・フンミンには2017-2018シーズンが終わった今年5月から、休む暇がなかった。プロ選手はシーズンが終了すると緊張が緩み、怪我に悩まされることも少なくない。休養を十分にとって、筋肉の疲れをとる必要があるだろう。しかし今年は、ワールドカップがあった。韓国サッカーの中心選手である彼は、シーズン終了後にロシアW杯を準備し、グループリーグで2ゴールを決めてドイツ戦の勝利をけん引した。
その後もソン・フンミンは韓国で休むことなく、所属チームのフリーシーズンキャンプに合流して渡米。インターナショナル・チャンピオンズ・カップに出場し、8月にはプレミアリーグ2018-19シーズン、ニューカッスルとの開幕戦を消化した。さらにアジア大会にオーバーエイジ枠で加わり、インドネシア行きの飛行機に乗った。17日間、7試合の強行軍を行ったわけだ。この時点で1年間に73試合も出場したことになる。
アジア大会で死力を尽くした後は、帰国して1日だけ休み、今度は韓国A代表に合流。そこから“ソン・フンミン酷使議論”も巻き起こったが、9月から10月にも依然としてイギリスと韓国を行き来しながら試合を続けていた。
オフシーズンなく誰よりも多い試合、しかもタイトルがかかった重大な勝負を相次いで行ったソン・フンミンのコンディションは正常ではないだろう。彼がゴールを決められないでいることが、何よりの証拠だ。
ソン・フンミンが公式戦で最後にゴールを決めたのは、8月20日まで遡る。キルギスとアジア大会のグループリーグ第3節だ。同試合の後半18分、右足で決勝ゴールを決めたのだが、それから10月16日のパナマ戦まで1185分間も沈黙している。
その期間、韓国代表として8試合、トッテナムで7試合を行った。