「タッチされていない状況でそのまま進行?ほかの国なら決勝には行けなかったはずだ」
男子ショートトラック韓国代表のクァク・ユンギ(33)が、ショートトラック混合2000mリレーで金メダルを獲得した中国代表について言及した。
中国代表は、去る2月5日に行われた北京五輪ショートトラック混合2000mリレー準決勝を3位で終えるも、4位ROC(ロシアオリンピック委員会)、2位アメリカの失格で決勝進出に成功。五輪新種目の混合2000mリレーで今大会初の金メダルを獲得した。
クァク・ユンギは6日、北京の首都体育館で行われた公式練習後、ミックスゾーンで韓国取材陣に対し「中国が優勝するまでの過程を見ると、悔しさとともに申し訳ない気持ちが生まれる。“自分が夢見ていた金メダルの座はこんなものだったのか”と問い返すようになった」と述べ、釈然としない判定で表彰台に立った中国を指摘した。
続けて、「韓国代表とは関係のない判定だったが、我々が当事者になることもあり得ると思った。もし我々がその状況に陥ったらどれだけ悔しいか考えた」と、中国の準決勝について言及した。
また、「準決勝は実際に観たが、(中国、ROC、アメリカの)3チームが失格になると思っていた」とし、「ビデオ判定が長くなって“まさか”と思っていたが、受け入れがたい状況が発生してしまった」と述べた。
準決勝では、次の選手にタッチを終えたROCの選手が中国の選手の間に挟まれる状況が発生した。当時、中国の選手同士でタッチが正しく行われないまま、レースは継続された。
このため、レース後には「タッチを妨害した」として4位のROCが失格処分を受け、さらには2位のアメリカも、「後発走者が早くレースラインに入った」として同じく失格となった。
ただ、タッチなしにレースを継続した中国は失格判定を受けず、1位ハンガリーとともに決勝に進出した。
クァク・ユンギが指摘したのはこの部分だ。「タッチされていない状況でそのまま進行されたのは、これまで見たことがない。ほかの国がそういう状況になったら決勝に進出できていたのだろうかと思った」と反応した。
クァク・ユンギは北京五輪を控え、とあるメディアとのインタビューで中国の偏向判定に対する憂慮を明らかにした。すると、中国のネットユーザーから誹謗中傷のDM(ダイレクトメッセージ)が殺到し、これを自身のインスタグラムで公開した。
誹謗中傷のDMを公開した理由について、クァク・ユンギは「こうしたメッセージを受け取った経験があるから“鈍い”方だ。僕以外の選手も経験してしまうのではないかと思い、公開した」と明かすと、「後輩たちが傷つかないよう、多くの応援をお願いしたい」と伝えた。
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