これからは“アジア・チャンピオンズリーグ(ACL)決勝モード”だ。
浦項(ポハン)スティーラースは去る11月7日、ホームの浦項スティールヤードで行われたKリーグ1(1部)第36節の光州(クァンジュ)FC戦で1-2と敗戦。ただ、現時点で勝ち点45を確保し、2試合を残して1部残留を確定した。
光州FC戦を最後に浦項は国際Aマッチ期間による休息期に入った。2022年カタールW杯アジア最終予選を戦う韓国代表メンバーにはキャプテンのDFカン・サンウ(28)のみが選出された。
残された選手たちは3日間の休息を取った後、木曜から再び練習に突入する。この間には強化試合も予定されているが、浦項としては若干の困難がある。
というのも、浦項は来る24日(日本時間)にアル・ヒラル(サウジアラビア)とのACL決勝を控えているためだ。
浦項は先月、韓国・全州(チョンジュ)で集中開催されたACL東地区の準々決勝と準決勝で名古屋グランパスと蔚山現代(ウルサン・ヒョンデ)を下し、見事に決勝進出を果たした。浦項は17日、決勝が行われるサウジアラビアへ発つ予定だ。
最後に優勝した2009年以来に決勝へ駒を進めた浦項は、12年ぶり4回目のアジア制覇を目論む。ただ、戦力面ではアル・ヒラルが浦項を大きくリードしていると評価されている。
アル・ヒラルには元FC東京の元韓国代表DFチャン・ヒョンス(30)のほか、かつてリヨンやスウォンジーなどに在籍した元フランス代表FWバフェティンビ・ゴミス(36)、元ブラジル代表MFアンデルソン・タリスカ(27)、ブラジル人MFマテウス・ペレイラ(25)、マリ代表FWムサ・マレガ(30)、サウジアラビア代表MFサーレム・アッ=ドーサリー(29)など、そうそうたる選手が揃っている。
浦項は休息期間を通じて新たな攻撃オプションの構築に取り組む。ゼロトップ起用のFイ・スンモ(23)が、兵役特例による奉仕活動時間不足のため、兵役法に伴い海外へと出国することができず、必然的にメンバーに含むことができないからだ。
今シーズンのイ・スンモは、浦項の攻撃陣が多く離脱するなかで前線起用され、自身の役割を果たしてきた。リーグ戦では33試合1ゴールに過ぎないが、豊富な運動量を活かした前線からのプレッシャーと連係プレーでキム・ギドン監督の信頼に応えてきた。
特に、今季ACLではグループステージ、決勝トーナメント合わせて3ゴールと活躍も見せてきた。それだけに、イ・スンモの不在は浦項の戦術とゲームマネジメントにおいて痛い。
ほかでは、10月30日の第34節城南(ソンナム)FC戦で負傷交代し、その後の2試合を欠場したコロンビア人FWマヌエル・パラシオス(28)が、決勝に合わせたコンディション調整に取り組む。2列目から猪突猛進な突破で存在感を放つだけに、パラシオスの早期復帰が待たれる。
キム・ギドン監督は直近の2試合で、右サイドバック起用が主だったDFパク・スンウク(24)をボランチに起用し、MFシン・ジンホ(33)を一列上げたトップ下に起用している。新たな中盤の組み合わせを実験し、悪くない結果を得ている。
休息期間にはチームを再び整備できるだけに、ACL決勝では今までになかった新たな中盤の組み合わせが誕生する可能性もある。
キム・ギドン監督は「再充電の時間を持ってACLに集中しなければならない。韓国を代表するクラブなだけに、良い姿を見せなければならない」と善戦を予告した。
一発勝負のACL決勝では戦前の予想通りの結果になるとは限らない。実際、浦項はこれまでの決勝トーナメント3試合ですでにそのことを証明している。
はたして、キム・ギドン監督は休息期間を通じてどのような戦略を敷くのだろうか。
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