アジア・チャンピオンズリーグ(ACL)で東地区から決勝に進出した浦項(ポハン)スティーラースが、国内で降格危機にさらされている。
全12チームによる正規ラウンドを終え、ファイナルA(上位グループ)、ファイナルB(下位グループ)と6チームずつ分かれてのファイナルラウンドに突入しているKリーグ1(1部)。浦項は2017シーズン以来4年ぶりにファイナルBを戦っている。
ただ、浦項はファイナルB初戦の第34節で城南(ソンナム)FCに0-1と敗戦。裏の試合で仁川(インチョン)ユナイテッドが勝利したことで順位が入れ替わり、8位に転落した。
勝ち点43の仁川ユナイテッドと1ポイント差の浦項(勝ち点42)は、いよいよ降格圏内との差が本格的に縮まってきた。昇降格プレーオフ圏内の11位FCソウル(勝ち点37)とは5ポイント差だ。浦項は1973年のクラブ創設から1983年にKリーグが発足され、2013年から昇降格制度が導入されて以降、一度も2部に降格したことがない。
悩みの種はいまいち爆発しきれない得点力だ。浦項はKリーグの直近2試合を無得点で敗れている。今季総得点は34試合で35得点だ。
ACLで3ゴールのMFイ・スンモ(23)はリーグ戦で未だ得点ゼロ。ブルガリア人FWボリス・タシチー(28)は負傷と不振で事実上戦力を外れており、第33節の光州(クァンジュ)FC戦で2得点を挙げたFWイ・ホジェ(21)も経験不足だ。
このため、チームで唯一二桁得点を挙げているFWイム・サンヒョプ(33)に期待せざるを得ない状況となっている。
加えて負傷者も続出している。城南FC戦で負傷交代したコロンビア人FWマヌエル・パラシオス(28)は、大した負傷ではないものの、3日に行われる第35節の江原(カンウォン)FC戦は欠場が予想される。
また、サイドアタッカーのFWクォン・ギピョ(24)も足の甲の負傷で残り試合の出場が不透明。FWキム・ホナム(32)は椎間板ヘルニアの負傷から回復したとはいえ、試合感覚や体力面は完璧ではない。
さらに、浦項は7日の第36節光州FC戦を終えた後、24日(日本時間)にサウジアラビアで行われるACL決勝のアル・ヒラル戦も控えている。ただ、決勝ではイ・スンモが兵役特例と関連したボランティア活動時間不足によって国外に出国することができず、試合に出場することができない。
ACL決勝まで国際Aマッチによる休息期間があるため、再整備できる時間はある。ただ、決勝以降もさらにリーグ戦2試合をこなさなければならないため、浦項にとっては負担になる日程でしかない。
度重なるピンチのなかでも成果を出してきた浦項だが、今回こそはシーズン最大の危機に直面したと言えるだろう。
前へ
次へ