韓国代表MFファン・インボム(25、ルビン・カザン)が、チームの主力を担うことへの責任感を明かした。
ファン・インボムはパウロ・ベント監督体制の韓国代表で主力に定着している。2018年9月のベント監督就任初戦であるコスタリカ代表戦でA代表デビューを果たすと、現在まで国際Aマッチ25試合に出場。指揮官から常に厚い信頼を受けてきた。
2019年12月のE-1サッカー選手権からは新型コロナウイルス感染や負傷の影響で長らく代表から遠ざかっていたが、ベント監督の信頼は変わらなかった。約1年8カ月ぶりの代表復帰となった9月の2022年カタールW杯アジア最終予選で、ファン・インボムは2試合とも先発出場した。
10月6日、オンラインで行われた記者会見に出席したファン・インボムは、「どのチームでも監督が僕を信じてくれた。現在の所属チームでも、監督が僕のことをとても気に入ってくれている。U-23韓国代表ではキム・ハクボム監督が信頼してくれた。A代表ということでより注目されているようだ」と語った。
実際、ルビン・カザンを率いるレオニード・スルツキー監督はファン・インボムを重用している。現在まで行われたリーグ戦10試合でも、ファン・インボムはすべての試合で先発出場している。
ファン・インボムは長所の多いセントラルMFだ。正確なパスや創造的なプレーはもちろんのこと、豊富な運動量も持ち味だ。2列目から3列目まですべて消化できるマルチロールも高く評価されている。
「自分で自分の長所を考えてみると、特別な技術はない」というファン・インボムは、「監督が望む戦術はそれぞれ違うが、それに合わせてプレーする方だ。その点を高く評価してくれていると思う。そこを上手く活かし、正確さや果敢さを組み合わせられれば、より良い選手に慣れると思う」と、監督の要求に合ったプレーをすることが重要だと強調した。
それだけプレッシャーや責任感もある。注目を浴びやすい分、不振なプレーが目立つとすぐさま批判の的になりやすい。特にファン・インボムは、ベント監督から寵愛を受けていることから“皇太子(ファンテジャ)”という別名が付けられている。ファン・インボム自身、この事実は認知している。
「(皇太子という表現は)良い意味にも悪い意味にもなるかもしれないが、できるだけ良い方に考えている。あまり良く思わない方々がいることも知っている。なぜ自分が重用されるかを証明する努力をしなければならない。常にそうしてきたし、これからもそうするだろう。時間の経過とともに、なぜ重用されるかというのを説得したい」
今回の2連戦でも、ベント監督はファン・インボムを積極的に起用する見通しだ。FWソン・フンミン(29、トッテナム)やFWファン・ウィジョ(29、ボルドー)、FWファン・ヒチャン(25、ウォルヴァーハンプトン)ら欧州組の攻撃陣が所属チームで良いプレーをしただけに、パスを供給するファン・インボムの役割がより重要になった。
「攻撃陣のコンディションがとても良い。前線の選手に良いボールを供給することが僕の役割だ。自分の持ち味である前線へのパスを、より正確に行うつもりだ。監督もそのような役割を注文している。守備面というより、攻撃面で積極的に動きながらスペースを生み出す役割もしなければならない」
カギとなるのはコンディション管理だ。ファン・インボムをはじめとする欧州組は、それぞれ所属チームで多く試合に出場した後、韓国に入国した。体力や体調でコンディションに問題をきたす可能性がある。
「海外に出て3年近く経つ。来るたびに大変なのは仕方がない」と話すファン・インボムは、「それでもより面白くしてみようと思っている。チームメイトと色々と話を交わしながらコンディションを引き上げている。よく食べてよく眠るために努力しているが、時差もあって思うように適応できない。最上のコンディションを作るためには睡眠剤を飲むこともある。今回はチャーター機に乗れたので回復は以前よりも簡単そうだ。良い環境なだけに、より良いパフォーマンスを披露したい」と力強く語った。
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