8月28日、「JR東日本カップ2021第95回関東大学サッカーリーグ戦」、中央大学と神奈川大学の第14節延期試合が行われた。
試合は前半36分、左サイドの白川浩人が縦に抜けて上げたボールを石原大樹がヘディングで決めて、神奈川大学が先制。中央大学は後半28分に、山﨑希一のドリブルから獲得したPKを、「決める自信しかなかった」という髙岸憲伸が冷静にGKを見て決めて、同点に追いつく。試合は1-1の引き分けに終わった。
試合後、神奈川大学・大森酉三郎監督は、「“もうやめた”ってちゃぶ台をひっくり返してもおかしくない勝ち数だが、毎試合毎試合、こうやって僅差のゲームをやって、気概を見せてくれているので本当に選手には感謝している」と話した。
続けて、「勝てないけれども、この苦しさのなかで、何かモヤモヤしているけれど、パワー出してやっていくことは、人生の勉強としては、勝つこと以上にいいのではないか。負けて自暴自棄になるのではなくて、何か詰めが甘いのかもしれないと捉え、一人ひとりが注意深くなるためには、どうするかと考える。負けている今だからこそ、生活の質を高め、環境整備をしている」と語った。
特に、今の1、2年生は1年半前から団地を寮にして、そこで3人で生活をしている。食事もある程度は自分たちで作っているという。「勝てない状況のなかでも、生活での細かいところを気にしている。普段の生活のからのぶれなさが、勝っても負けても僅差という結果をうんでいる」と説明した。
また、「1部リーグの慶應には勝ったし、駒澤には延長戦で負けたが、日本一をとってもおかしくないチームのどことやってもいい勝負ができる。でも、いつも負けてるからビリだけど、そう悪くはない」と選手には言っているという。
最後に、「そんな形でぶれずに、毎週毎週こうやってリバウンドメンタリティーで、生活を見直しながら、今週も一生懸命練習しながらやっているので、たとえビリになったとしても、最後までやりきったら、大した年だったという感じになるのではないか。サッカーで活躍している伊東純也、佐々木翔などもいるが、社会に出て企業などで活躍するのは、あの時の負けの込んでいた代が多いよね、やっぱりあの時苦しかったから、みたいな感じに10年後、もし僕が監督をやっていたら、そういうのも検証したいと思う」とほほ笑んだ。
(文=玉 昌浩)
前へ
次へ