東京五輪惨敗、不祥事続出の韓国野球に「フィールド・オブ・ドリームス」が必要なワケ

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米メジャーリーグが企画したニューヨーク・ヤンキースとシカゴ・ホワイトソックスによる「フィールド・オブ・ドリームス・ゲーム」は大成功だった。

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視聴者は約600万人と調査され、レギュラーシーズンの試合としては2005年以後最高の数を記録した。

1989年にアメリカで公開された映画『フィールド・オブ・ドリームス』の舞台、アイオワ州ダイアーズビルで行われた試合は、公式観客数7832人を記録した。プレミアムチケットは最高価格1万ドル(日本円=約109万3000円)で販売されたという。

そして、試合もMLBの歴史に残る名勝負となった。9回だけで両チームから計3本の本塁打が飛び出し、計6点が生まれたのだ。最後はホワイトソックスのティム・アンダーソン(28)がサヨナラ2ラン本塁打を放ち、「フィールド・オブ・ドリームス・ゲーム」のヒーローになった。

マスコミの多くはこの試合を「Epic(叙事詩)」と表現した。企画から演出、それに試合内容まで完璧だっただけに、そう表現することは当たり前だろう。FOXテレビで解説を務めたアレックス・ロドリゲス氏も、「試合はホワイトソックスが劇的に勝利したが、勝者はMLBだ」と語っている。

「フィールド・オブ・ドリームス・ゲーム」は、2022年にも開催される予定だという。

(写真提供=USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)サヨナラ2ランを放ったティム・ヘンダーソン

実際、このようなイベント性の強い試合は金銭面で見れば収支的に損失だ。企画からそれを実行するまでに莫大な費用がかかる。加えて、トップクラスのメジャーリーガーがプレーするだけにそれ相応の球場と付帯施設も備える必要がある。

しかし、「フィールド・オブ・ドリームス・ゲーム」は単にお金に換算できるような性格の試合ではない。MLBをアメリカ国内のみならず全世界に広くプロモーションし、将来的なファン獲得につなげる意図があった。

それだけに、韓国野球界の観点から見れば、MLBファンの大部分が中年層であることは羨ましく見えるしかない。

1982年に発足した韓国プロ野球KBOリーグ。発足元年のファンは少なくとも中年層だ。ただ、韓国プロ野球がこれまで50~60代のファンを球場に来させるような努力をしたかどうかは振り返らなければならない。

それに、「フィールド・オブ・ドリームス・ゲーム」のようなイベント性のある試合を企画できる人材が、韓国野球界にいるかどうかも疑わしい。

韓国野球界に必要な“英雄”の存在

振り返ると、MLBは1994年にワールドシリーズを開催することができなかった。強固なMLB選手労組がストライキを宣言したからだ。これを受け、ファンはお互いに貪欲さを見せた球団オーナー、選手労組のどちらも強く非難。その翌年、観客は球場にそっぽを向け、アメリカの野球人気は下火となっていた。

すると、1995年後半に救世主が登場した。カル・リプケン・ジュニア(元ボルチモア・オリオールズ)がその人だ。

リプケン・ジュニアにはルー・ゲーリッグの持つ2130試合連続出場記録の更新が期待されていた。2130試合に連続で出場するには13年以上も時間を要する。体力はもちろん、活躍し続けるだけの技量も伴わなければならない。

リプケン・ジュニアはアメリカン・リーグ新人王のみならず、1983年と1991年にはMVPに輝き、ゴールデングラブ賞も2度受賞した経験のあるトップレベルの選手だった。

そんな彼は、1995年9月6日にゲーリッグの大記録を塗り替える2131試合連続出場を達成。試合成立が認められた5回の後、リプケン・ジュニアはチームメイトに押されグラウンドを回りながらファンの歓声に応えた。

当時、ビル・クリントン大統領は球場に電話をかけ、リプケン・ジュニアの不滅の記録を祝った。リプケン・ジュニアはその後も記録を伸ばし続け、最終的に2632試合の連続出場記録を残した。

1998年には、マーク・マグワイアとサミー・ソーサによる本塁打争いがアメリカを盛り上げた。マグワイアのステロイド使用告白、ソーサのコルク入りバットの使用発覚で、現在こそ残念な歴史の一部として切り捨てられる側面はあるが、その当時は野球の人気回復に決定的な役割を果たした。

現在の韓国野球界は、東京五輪の惨敗や各球団選手の逸脱行為発覚など悪材料が重なっている。失墜した人気を取り戻すためには、骨身を削る努力が必要であるとともに、新たな英雄が誕生しなければならない。

ただ、今のところはそんな気配がまったく見えない。それだけにもどかしい気持ちでいっぱいだ。

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