“問題放送”が多かった韓国の東京五輪中継、最も視聴率が高かったテレビ局は?

2021年08月10日 スポーツ一般 #東京五輪

今回のオリンピック中継で最も多くの韓国視聴者が選択したテレビ局は、KBSだった。

東京五輪を通じて韓国代表選手たちが見せてくれた輝かしい活躍は、暑さとコロナ禍に疲れた国民を慰めた。17日間の熱戦をお茶の間に生々しく伝え、オリンピックの感動と楽しさを倍増させた東京五輪中継を総決算した。

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オリンピック中継番組「視聴者数上位30位」(ニールセンコリア、全国基準)のうち、KBSが18番組(KBS 2TVの10番組、KBS 1TVの8番組)で約60%を占め、他の放送局を圧倒した。MBCとSBSは並んで6番組で約20%ずつだった。

なかでも、ウ・サンヒョク選手が出場した男子走り高跳び決勝中継(KBS 1TV)が約466万人(視聴率19.2%)で1位、女子バレーボールのブラジルとの準決勝中継(KBS 2TV)が約383万人(視聴率14.1%)で2位、“父娘メダリスト”の誕生となった体操妖精ヨ・ソジョンの跳馬決勝中継(KBS 2TV)が約378万人(視聴率16.2%)で3位となり、KBSがトップ3を独占した。

(画像=KBS)オリンピック中継

豪華な解説陣

KBSが圧倒的な視聴率を叩き出せた理由は、野球のパク・チャンホ、サッカーのチョ・ウォンヒ、体操競技のヨ・ホンチョル、バレーボールのハン・ユミ、アーチェリーのキ・ボベなど、各種目で最高の実力と話術を備えた解説委員たちが集結し、名キャスターたちによる“信頼性の高い中継”が視聴者から高い評価を受けたためだ。

特に開・閉幕式の中継を担当したソン・スンファン元平昌冬季五輪開幕・閉幕式総監督の率直な解説と評価は、視聴者から好評を得た。

KBSは韓国陸上の歴史を塗り替えた“美しい飛行“ウ・サンヒョク(走り高跳び)、“金色の末っ子ズ”アン・サンとキム・ジェドク(アーチェリー)、“国民の妹”の世代交代を知らせたシン・ユビン(卓球)、18歳の“クモ少女”ソ・チェヒョン(スポーツクライミング)など、新しいオリンピックスター誕生の瞬間を国民と共にした。

特に、KBSはチョン・ウンテ選手が初の五輪メダルを獲得した近代五種を含め、陸上、ラグビー、ヨット、ボクシングなど多様な種目を中継し、不人気種目の再発見の先頭に立った。

ユニークな解説字幕

KBSの「ユニークな字幕」は、MZ世代(1980~1995年生まれのミレニアル世代+1996~2012年生まれのZ世代)を虜にした。

全国民が知る“too much talker(おしゃべりな人)”パク・チャンホ委員にかけられた「簡潔で正確な解説」という皮肉な字幕は爆笑を巻き起こし、試合前の字幕には「パク・チャンホ委員がロサンゼルスにいたとき」にあった出来事を事前に羅列し、彼が「私がロサンゼルスにいたとき…」と始める長い昔話を事前に遮断する神の一手を置いたりもした。

ヨ・ホンチョル解説委員による体操競技の中継では、出場選手によって「ヨ・ソジョンパパ」「シン・ジェファン先輩」と字幕を変えるなど、瞬間的な対応で視聴者を魅了した また、KBSがオリンピック中継史上初めて試みた“密着カメラ”は、生々しい臨場感を視聴者に伝えた。

「キム・ヨンギョン密着カメラ」「ヨ・ソジョン密着カメラ」「ファン・ソヌ密着カメラ」。そして、パク・チャンホ委員を密着マークした現場フォローカメラは、彼らの表情と反応、感情を様々な角度から近くで映し出し、一味違った感動と楽しさを加えていた。

“too much talker”から“good much talker”に生まれ変わったパク・チャンホ委員は、投手のボール配球まで正確に予測するなど、経験から湧き出た名解説だけでなく、「キャプテンキュー」「太極鎧」という新しい語録を誕生させ、専門性と面白さという二兎を得たと評価された。

初のオリンピック解説を担当したサッカー解説委員のチョ・ウォンヒは、毎試合、急成長する姿で成長型解説委員という別称が付いて、視聴者に良い印象を与えた。「ディス・イズ・光の組」と声高に叫ぶチョ・ウォンヒの新概念のハイテンション解説は、まるで部屋で一緒に応援しているような印象さえ受けるほどだった。このほか、キ・ボベ解説委員の「何か一つやり遂げなければならないという無駄な考えは捨てなければなりません」や“岩壁女帝”キム・ジャイン解説委員の「行こう行こう」といったフレーズも話題を集めた。

女子バレーボール代表チームのベスト4入りが決まった瞬間、「もともとスポーツは競争ではなく感動です」と胸がいっぱいになる心境を伝えたハ・ユミ解説委員の言葉は、オリンピック中継最高の名言として語られている。

キム・ヨンギョンのラストダンスが行われた女子バレーボールは、東京五輪のハイライトだった。世界ランキング13位の韓国代表チームが、客観的な戦力上優位にあるトルコ(4位)、ドミニカ共和国(7位)、日本(10位)などを相手に闘魂を発揮してベスト4に進出する奇跡のようなドラマで、国民に熱い感動を与えた。

代表チームの永遠の最年長者であるハン・ユミ解説委員は、まるで自分もコートの上で一緒にプレーする気持ちで情熱的な解説を続けながら、選手たちと一緒に泣いて笑った。

ハン・ユミ解説委員が中継したブラジルとの準決勝戦(KBS 2TV)は14.1%とバレーボール中継で最高視聴率を記録し、試合終了後の各種掲示板には「解説はやはりハン・ユミ」「ハン・ユミの解説は涙を流させますね」など、KBSのオリンピックバレーボール中継に対する応援と称賛のメッセージが相次いだ。

(画像=KBS)オリンピック中継

オリンピック中継の“名家の品格”を証明したKBS

最も長い間、最も進んだ技術でオリンピックの感動と歓喜の瞬間を国民に伝えてきたKBSは、1TVと2TVという2つの地上波チャンネルを最大限活用し、公共放送として責任感のあるバランスの取れた中継、そして差別化された番組構成、トレンドに合わせた変化を披露し、ロンドン、リオ、平昌に次いでもう一度「オリンピックの名家」であることを立証した。

7月23日の開幕後、17日間、熱戦を繰り広げた2020東京五輪は、8月9日の閉幕式を最後に大団円の幕を下ろした。

KBSがオリンピック放送で大成功しただけに、“問題放送”が多かったMBCとの落差が目立つ結果となった。

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