2020東京五輪で「天候との戦い」が続いている。主催者側は台風による悪天候だけを予想し、漕艇競技とアーチェリー競技の日程を変更したが、選手たちの間では殺人的な猛暑が問題点として浮上している。
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男子テニス世界1位のノバク・ジョコビッチは7月24日、初戦を終えた後に「極度の暑さと高い湿度で競技するのは非常に難しい。東京の天気が暑いだろうと予想したが、来て経験するまではこれほどだとは思わなかった」と言及した。世界ランキング2位のダニル・メドベージェフも「最悪の環境だ」と明かした。
猛暑によって倒れたり、嘔吐する選手も発生した。7月26日、東京・お台場で行われたトライアスロン男子個人のフィニッシュライン付近では選手たちが倒れた。優勝したクリスティアン・ブルンメンフェルト(ノルウェー)をはじめ、選手らは嘔吐の症状を見せた。
ニューヨーク・ポストによると、この日、金メダルを獲得したブルンメンフェルトは、フィニッシュライン通過後、嘔吐。車椅子に乗せられて会場を後にした。ニューヨーク・ポストは「ブルンムメンフェルトはゴールテープを取って座り込んだ。彼は蒸すような暑さで苦しんでいるようで嘔吐した」と報道した。
7月23日には猛暑の中で試合を行ったロシアのアーチェリー選手スベトラーナ・ゴンボエバが点数を確認している途中、突然意識を失った。この日のアーチェリー競技場の気温は33度前後。体感温度は38度に達した。スベトラーナ・ゴンボエバはすぐに病院に運ばれた。
ロシアのテニス選手アナスタシア・パブリュチェンコワも試合後、「まったく楽しめなかった」と話している。
ビーチバレーボール選手たちは砂が熱いと抗議している。裸足で競技を行わなければならない特性を考慮し、東京五輪組織委員会の関係者らは急遽、水をかけて砂を冷やす方法を選んでいる。
乗馬種目に出場する選手たちは、猛暑で馬たちが疲れることがないよう水煙噴霧器や扇風機などを活用して暑さを凌いでいる。審判にはクーリングベストも支給された。
東京の夏は湿度まで高く、殺人的な暑さで悪名高い。そのため57年前の1964年東京五輪は天気を考慮して10月(10日~24日)に開催されている。
なお、昨年6月から9月にかけて、日本では熱中症で6万5000人あまりが病院に運ばれ、112人が死亡した。
天気に対する指摘が続くと、国際オリンピック委員会(IOC)は「暑さに対する懸念を非常に真剣に受け止めている」とし、「気温が選手に及ぼす影響を減らすために広範囲な対策を講じている」と説明した。
現在まで猛暑のために陸上競技やサイクル競技などの長距離種目の競技時間が後に延ばされ、馬術やトライアスロンなどは競技時間が早朝に繰り上がった。
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