U-24韓国代表のオーバーエイジ枠の1人であるDFパク・ジス(27、金泉尚武)が、グループステージ敗退危機にさらされていたチームに希望をもたらした。
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7月25日にカシマスタジアムで行われた東京五輪・男子サッカーのグループB第2節U-24ルーマニア代表戦で、パク・ジスはセンターバックで先発フル出場。韓国を4-0の大勝に導いた。
DFチョン・テウク(24、大邱FC)とともにセンターバックのコンビを組んだパク・ジスは安定してDFラインを統制した。空中戦やビルドアップ、対人マークなど、すべての面で抜け目ないプレーを披露し、ルーマニアの攻撃をシャットアウト。韓国の危なげない勝利に一役買った。
韓国はルーマニア戦の大勝により、全4チームが勝ち点3で並んだグループで首位に浮上。決勝トーナメント進出の可能性を残した。
パク・ジスは国内で一度もチーム練習に合流できないまま日本に出発した。韓国率いるキム・ハクボム監督は、当初DFキム・ミンジェ(24、北京国安)を守備のオーバーエイジに考えていたが、所属チームと折り合いがつかず直前で招集不可能に。結局、“プランB”のパク・ジスが急遽荷物をまとめ、チームに合流する形となった。
パク・ジスは、22日のU-24ニュージーランド代表戦で後半終了間際のわずか3分程度の出場にとどまった。キム監督は合流直後のパク・ジスのコンディションを考慮し、初戦ではチョン・テウクとDFイ・サンミン(23、ソウルイーランドFC)を起用した。2人ともコンビネーションは悪くなかったが、たった一度のミスで失点し、最終的に敗れてしまった。
キム監督は守備の不安を解消すべく、ルーマニア戦で“パク・ジス先発”のカードを切った。すると、その作戦が見事に的中。韓国は初勝利に成功し、決勝トーナメント進出の可能性を高めた。経験豊富なパク・ジスが入ることで、フィジカルに優れるチョン・テウクがさらに広範囲で守備をできるようになるなど、チームにシナジー効果をもたらした。
韓国は東京五輪を控えて行われた国内での強化試合ですべて失点している。6月のU-24ガーナ代表との2連戦ではそれぞれ1失点ずつ喫し、7月のU-24アルゼンチン代表戦、U-24フランス代表戦では2失点ずつ許した。本大会のニュージーランド戦含めた直近5試合すべてで失点したわけだが、パク・ジス初先発の試合でクリーンシートに成功した。
ビルドアップの能力にも優れるパク・ジスは、勝負を決定付けるゴールの起点にもなった。後半45分、左サイドから相手DFラインの後方に切れ込んだDFカン・ユンソン(24、済州ユナイテッド)へパク・ジスが正確なパスを送ると、最後はMFイ・ガンイン(20、バレンシア)の得点が生まれた。相手のオウンゴールやPKで得点を重ねたこの試合において、唯一完成度の高いゴールだった。
突然の合流にもかかわらず無難に初先発の試合を終えたことを考えれば、パク・ジスのパフォーマンスは合格点を与えるには十分だった。来る28日のU-24ホンジュラス代表戦に向けても、チームメイトとの連携がさらに高まる可能性は高い。
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