今よりも明るい未来が近づいている。それだけに、初めてのオリンピックに臨む心持ちも軽い。
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韓国競泳界の“次世代アイコン”ことファン・ソンウ（18）が、東京五輪で全世界に自身の名を知らしめようとしている。
まさに“サプライズスター”だ。わずか1年前まで、ファン・ソンウは大きく注目されるような存在でもなかった。中学以降は着実にパフォーマンスを引き上げてきたが、体格も186センチ74キロと圧倒的に優れているわけではない。
ところが、昨年11月に金泉（キムチョン）で行われた韓国代表選抜戦で、ファン・ソンウは新記録を打ち立てて周囲を驚かせた。自由形100メートルで韓国新記録（48秒25）、自由形200メートルで世界ジュニア新記録（1分45秒92）を達成したのだ。
ファン・ソンウは、自由形100メートルでパク・テファン（31）が立てた韓国記録（48秒42）を0.17秒縮めた。自由形200メートルでは、パク・テファンが2010年広州アジア大会で記録した1分44秒80には及ばなかったが、韓国競泳史上初の世界記録達成者となった。
そして、先月の競泳韓国代表選抜戦では自由形100メートルで48秒04、自由形200メートルで1分44秒96を記録し、東京五輪でのメダル獲得が不可能ではないことを知らせた。
現在、国際水泳連盟（FINA）のランキングでファン・ソンウは自由形200メートル5位、自由形100メートル13位にランクインしている。
ファン・ソンウの最大の持ち味は“泳ぎ方”にある。競泳韓国代表のイ・ジョンフン総監督は、「ソンウは“姿勢”と“泳法”で足りない力を挽回するスタイルだ。体重が少なく、西洋人に比べて力を入れられないように見えるが、その代わり姿勢がとても良く、キックによって弾力を受ける部分が非常に優れている」と特徴を説明する。
さらには、「高校進学以降に目立ち始めた選手だが、小学校の頃から基本的な技術がしっかりできていた。昨年からは世界の舞台に立てる可能性を見せた」とし、「もちろん、来るオリンピックでメダルを取ることもできるだろう。ただ、ソンウとは“オリンピックは楽しもう”と話している。彼はまだピークに達した選手ではない。個人的な予想としては、次のパリ五輪、またはロサンゼルス五輪で今よりも良い記録を出すと思う」と話した。
イ監督の言葉通り、ファン・ソンウにとって東京五輪はある種の“過程”だ。現在まで彼は、増量のためのウェイトトレーニングも行っていない。まだ成長期であるため、ひと通り背が伸びた後にトレーニングに臨む計画だ。
イ監督は「本人の意思でウェイトをさせていない。身長もこれから2～3センチは伸びるだろう。もっと大きくなってからウェイトを指せる」と明らかにした。
もちろん、直近に迫った東京五輪では何が起こるかわからない。ここ最近の目覚ましい成長を見れば、期待以上の結果を出す可能性も十分にあり得る。「今のペースは大丈夫だ。何より、ソンウは緊張するようなスタイルではない。大舞台でもただやってきた通りにするだろう。こうした部分が楽しみだ」と、イ監督は笑顔で期待を寄せた。
来る7月23日に東京オリンピックスタジアムで行われる開会式では、ファン・ソンウは女子バレー主将のキム・ヨンギョンとともに韓国選手団の旗手を務める。韓国競泳の次世代を担うホープは、東京五輪で世界にセンセーショナルな印象を与えることはできるだろうか。
ファン・ソンウは東京五輪で自由形50メートル、100メートル、200メートルのほか、800メートルリレーへの出場を予定している。
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