ラグビートップリーグが18年の歴史に幕…今季限りで引退の福岡堅樹は有終の美飾り医師の道へ

2021年05月26日 スポーツ一般 #ラグビー

第58回日本ラグビー選手権大会兼トップリーグ2021プレーオフ決勝が5月23日に秩父宮ラグビー場で行われ、パナソニックワイルドナイツがサントリーサンゴリアスに31-26で勝利した。パナソニックは5シーズンぶり5度目の日本一に輝くとともに、トップリーグ最後の王者となった。

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4668人の観客が来場したこの試合は、開始5分にCTBディラン・ライリー(24)のインターセプトトライで先制したパナソニックのペースで展開した。パナソニックはSO松田力也(27)の2連続ペナルティゴール(PG)成功で着実に得点を重ねると、前半30分にはWTB福岡堅樹(28)のトライでさらに点差を離した。

対するサントリーは、SOボーデン・バレット(29)のPG失敗や相次ぐペナルティなど苦しい戦いを強いられた。0-20で迎えた同35分にCTB中村亮土(29)キャプテンがようやくチーム初トライを奪ったが、終了間際にパナソニックが3本目のPGを成功。前半は7-23のパナソニックリードで折り返した。

前半35分の中村亮土のトライ

後半に入るとサントリーが息を吹き返した。今シーズンのトップリーグで唯一全勝中だったチームは開始2分でトライに成功し、以降もパナソニックの陣内に攻め込んだ。

パナソニックは後半15分に途中出場のPRヴァルアサエリ愛(32)がトライを決めたものの、その後の松田のコンバージョンキック、同29分の松田に代わって入ったSO山沢拓也(26)のPGがいずれも外れ、リードを広げることに失敗。その間、サントリーは30分と38分にトライを奪い26-31と、いよいよ5点差まで迫った。ただ、あともう1つのトライが届かず、最後は山沢がボールを外に蹴りだしノーサイド。パナソニックが悲願の優勝を達成した。

ノーサイドの瞬間、両手を突き上げる福岡堅樹

今シーズン限りで現役引退を表明している福岡は、ノーサイドの瞬間バックスタンド側のサイドで両手を空に向かって突き上げ、一人喜びをあらわにした。「 “自分のラグビーとしてやりたいことはすべてやり切れたので後悔はない”と言い切れる」という試合後会見での言葉の通り、何一つ悔いのないような満足感に満ちた笑顔が印象的だった。

福岡は試合翌日の24日に行われた年間表彰式でも、ベストフィフティーンに3シーズン連続3度目の選出を果たすとともに、自身にとって最初で最後となるMVPも受賞した。今後はラグビーの第一線を退き、今春から入学している順天堂大学医学部で医師への道を目指す。2003年からスタートした日本ラグビー最高峰のトップリーグは、国内を熱狂の渦に包みこんだ韋駄天が有終の美を飾るとともに、その18年の歴史に幕を下ろした。

試合後、観客に向かって手を振る福岡堅樹(中央)

(文=姜 亨起)

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