韓国サッカー協会(KFA)は5月24日、来る6月の2022年カタールW杯アジア2次予選を戦う韓国代表メンバー28人を発表した。
ソン・フンミン(28、トッテナム)やファン・ウィジョ(28、ボルドー)ら欧州組が順当に招集されたなか、元清水エスパルスのイ・キジェ(29、水原三星ブルーウィングス)も代表メンバーの1人に含まれていた。
今回のメンバー発表と関連して、国内サッカーファンの間における最大の関心事の1つがイ・キジェのA代表抜てきだった。
サイドからのビルドアップを重視する現在の韓国代表において、サイドバックは非常に重要な役割を持つポジションだ。そこで、Kリーグ屈指の左サイドバックとされるイ・キジェを推す声が多かったのだ。
去る2012年にJリーグの清水エスパルスでプロデビューを飾ったイ・キジェ。その後、オーストラリア・Aリーグのニューカッスル・ジェッツでのプレーを経て、2016年の蔚山現代(ウルサン・ヒョンデ)入団を通じてKリーグ入りを果たした。
イ・キジェはデビュー当時から韓国国内で注目を集めた選手ではなかった。2018年に水原三星(スウォン・サムスン)ブルーウィングスへ移籍後、2019シーズンから2020シーズン途中までは兵役義務を遂行するため、K3リーグ(3部)の金浦(キムポ)市民サッカー団でプレーしたこともあった。
それでも、昨シーズン途中に水原三星に復帰してからチーム内で台頭。カタールで集中開催されたアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)では存在感を発揮し、チームのベスト8進出にも貢献した。
そして今シーズン、イ・キジェは左足のスペシャリストに生まれ変わった。良質なクロスでチームメイトの得点をアシストするのはもちろん、フリーキックやミドルシュートでゴールまで生み出し、ここまでリーグ全18試合にフル出場、DFながら4ゴール3アシストを記録している。
特に、韓国代表メンバー発表前日の23日に行われたKリーグ1(1部)第18節の光州(クァンジュ)FC戦では、3-3の同点で迎えた後半ロスタイムに直接フリーキックを沈め、チームを劇的勝利に導いた。イ・キジェの左足は日を追うごとに感覚が研ぎ澄まされているようだ。
加えて、A代表率いるパウロ・ベント監督は去る3月の“日韓戦”当時、負傷明けでコンディションが良くなかったホン・チョル(30、蔚山現代)を無理に起用したことで大きな批判を受けた。
そのホン・チョルは今月15日のリーグ戦で再び負傷。同じく“日韓戦”でメンバーに選ばれていたパク・チュホ(34、水原FC)も、ここ最近はこれといった活躍を聞かない。そこで、イ・キジェが彼らの空白を埋め得る代替選手として挙げられている。
イ・キジェは世代別代表に選ばれた経験はあるが、A代表に招集されるのは今回が初めて。果たして、韓国国内で行われるW杯予選残り試合でイ・キジェがピッチに立つ瞬間は観られるのだろうか。
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