2部クラブが勝利した韓国の“首都ダービー”、監督が早くも来季の再戦を熱望したワケ

2021年04月16日 サッカー #Kリーグ

こうして“ストーリー”は生まれていく。

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Kリーグ1(1部)のFCソウルと、Kリーグ2(2部)のソウルイーランドFCが、4月14日にソウルワールドカップ競技場で行われたFAカップ3回戦の舞台で出会った。

韓国の首都ソウルではKリーグにホームタウンの概念が定着する以前の1991年まで、油公コッキリ(現・済州ユナイテッド)、LGチータース(現・FCソウル)、一和天馬(現・城南FC)が東大門(トンデムン)競技場をホームとして使用していた。

ただ、2000年代以降は各クラブの本拠地移転などもあり、ソウルをホームタウンとしたクラブ同士の対戦は行われてこなかった。ソウルイーランドFCは2014年に創設されたが、現在まで1部に昇格したことはなく、一方のFCソウルも2部に降格していないため、両チームが相まみえることは一度なかった。

(写真提供=韓国サッカー協会)FCソウル(左)とソウルイーランドFCのクラブロゴ

こうした背景もあり、今回の“ソウルダービー”は開催の実現だけで多くの注目を浴びたが、試合が行われた14日は偶然にもソウルイーランドFC創設からちょうど7年目を迎えた日だった。

ソウルイーランドFCを率いるチョン・ジョンヨン監督は、「こうした話を聞くだけでプレッシャーが押し寄せてくる。我々は挑戦する立場だ」と特に意味付けはしなかったものの、「(ダービーという)ストーリーがサッカー発展の要素となるだけでなく、サッカー関係者としてこの場に立てることを光栄に思う。これを機にストーリーを生み出せる場が増えてくれたら良い」と期待感を示した。

対するFCソウルのパク・ジンソプ監督は、「現在のチーム状況は良くない。ソウルは常に勝たなければならないチームだ。そうした試合の一つだ」と、あくまで勝利を強調した。

(写真提供=韓国サッカー協会)FCソウル(赤と黒)とソウルイーランドFC(白)

チャレンジャーとして試合に臨んだソウルイーランドFCは、キックオフの笛が鳴るやいなやFCソウルにプレッシャーをかけた。FCソウルは、MFキ・ソンヨン(32)やFWパク・チュヨン(35)の抜けた穴が想像以上に大きかったように見えた。

加えて、FCソウルは先発起用したFWチョ・ヨンウク(22)とMFシン・ジェウォン(22)の負傷で予期せず交代カードを切らざるを得なかった。

ソウルイーランドFCは冷静に試合を展開し、後半からはFWニコラス・ベネガス(25)とFWレアンドロ(26)の投入で勢いに乗った。結局、後半39分にレアンドロが挙げた決勝ゴールで、ソウルイーランドFCが1-0で勝利した。

「今回は前哨戦だった…」

試合後、チョン・ジョンヨン監督は余裕と自信に満ち溢れていた。

チョン監督は「冬季キャンプでは“無敗”、“アジア・チャンピオンズリーグ出場権獲得”、“昇格”と無謀な目標を伝えた」とし、「(Kリーグ2第6節忠南牙山戦の敗北で)目標の一つは失敗したが、まだACLの望みはあるので最後までやり遂げたい。リーグ戦も重要だが、1試合でも多くプレーできる機会を作ろうと選手に伝えている。最後までやれるだけやってみたい」と、来シーズンのACL出場権が与えられるFAカップ優勝への熱望を隠さなかった。

(写真提供=韓国サッカー協会)チョン・ジョンヨン監督

また、チョン監督は来シーズンから1部に昇格し、Kリーグ1の舞台でFCソウルと再戦したい意欲も見せた。

「今年は位置的にも我々が挑戦する立場だったが、来年は同等な立場で“ソウルダービー”をしたい。今回は前哨戦だったと言って良いだろう。ホーム&アウェーで試合を行いたい。(ソウルイーランドFCのホームスタジアムである)蚕室オリンピック主競技場で試合できる日を待ちわびている」と、チョン監督は力強く語った。

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