4月3~4日、「JR東日本カップ2021第95回関東大学サッカーリーグ戦」第1節が行われた。
4月3日に行われた明治大学と流通経済大学の試合は、前半18分に「相手が背後に弱いという点と、昌平高校時代からクリアも味方につなぐという意識でサッカーをしてきたので、クリアする前にしっかり味方を見て、そこに出してあげるということを常日頃から意識していたことが、こういう舞台で出た」という石井優輝のワンタッチパスを佐藤恵允が決め、明治大学が先制する。
後半3分にも、岡庭愁人の右からのクロスを太田龍之介がヘディングで決めて明治大学がリードを広げる。流通経済大学は後半13分、左サイドで齊藤聖七がボールを運びんで中央の仙波大志に送り、仙波大志が右サイドでフリーの菊地泰智につなぎ、菊地泰智が左足ワンタッチでニアに決めて1点を返す。
後半38分には、明治大学・稲見哲行の縦パスを受けた藤原悠汰のシュートがディフェンスに当たりゴールネットを揺らす。流通経済大学は後半45分に後半途中出場の1年生・中島舜がゴールを決めるも、試合は3-2で明治大学が勝利を収めた。
試合後、明治大学・栗田大輔監督は「開幕戦を勝てたということで良かった。開幕戦なので気合も入ってた。流経さんがすごく前評判が高く、Jリーグ内定選手もたくさんいるなかで、明治は劣勢と思われていただろうが、そんなに甘くはないと思う。流経さんが開幕戦の相手でいてくれたので、僕らもモチベーションが上がった」と説明した。
また、リーグ戦を2連覇したチームとして、さらには「今年、うちは100年を迎えるので、初戦で違いを見せるぞというモチベーションで、非常にいいゲームができた。勝ちはうちが拾ったが、お互いいいゲームができた」と感想を述べた。
勝因については、「ゲームプランがしっかりはまっていた。今年は全員攻撃・全員守備で献身的に、ある意味で明治らしく泥臭くというところが特徴的なチームなので、そこがきちっとやり通せた」ところを挙げた。
一方、流通経済大学・中野雄二監督は「勝ってスタートしたかったが、負けてのスタートになっただけ。ある程度、シーズンを通してこれくらい勝ち点を取れば優勝争い、また優勝できるかなというのがあるので、前半のような戦い方ではしようがないが、後半のように最初からできれば」と試合を振り返った。
ハーフタイムには、「この試合負けるにしても、このまま負けたらお前らの優勝はないと思う。でも、もし積極的に今までやってきたこと、前からボールを取りに行って、2点目をショートカウンターなりで取られて負けたとしても、それならお前らは優勝できると思うよ」という指示を出してピッチに送り出したという。
「結局、後半は2対2というスコアだった。パスもつながり出したし、テンポも上げられ、明治さんも対応できなくなったかなというのはある。1部リーグの明治さんというのは、大体どのくらいの位置にいるチームかというのを考えると、後半のような戦い方をしていけば、ある程度このくらいの勝ち点を取れるかなという感触もある」と語った。
4月4日、桐蔭横浜大学と立正大学の試合が行われた。試合は前半5分に立正大学が最初のコーナーキックで、田中智也がヘディングでゴールを奪い先制するも、前半28分に寺沼星文が得点し、40分には山田新がPKを決めて、桐蔭横浜大学が逆転。試合は2-1で桐蔭横浜大学が勝利を収めた。
試合後、桐蔭横浜大学・安武亨監督は今年のチームについて、「みんなかなりハードワークができて、献身的に戦えるので、今日も前からしっかりディフェンスに行きたかったが、立正大さんが思った以上に縦にどんどんボールを入れてきたことで、なかなか自分たちの思い通りのことはできなかったが、それなりにいい守備からいい攻撃につなげられた。立ち上がり失点はしたが、しっかり逆転して、力のあるチームだと思った」と評価した。
また、1点ずつ挙げたツートップについて、「獣系のツートップ。2人ともかなりパワーがあるので、相手にとっては脅威になる2人だと思う」とし、「結果が出ると自信になる。チームをしっかり勝たせるゴールを決めてくれた。2人ともいいプレーだった」と称賛した。
桐蔭横浜大学出身で、3月25日に行われた韓国代表との国際親善試合で代表デビューと代表初ゴールを決めた山根視来について、「大学にとって初の代表で、初の代表ゴールまでしてくれて、本当にうれしい。無名ながらもコツコツと頑張ってきた選手が、ああやって日本を代表する選手になって、点まで取った。彼は僕らにとって誇り。大体、20歳を過ぎると成長はなかなか難しいというが、20歳を過ぎてもしっかり成長していけるということを示してくれた。大学サッカーは実績どうこう関係なく、ここからでもいい選手になれるんだということを示してくれた。うちにとっても良かったし、大学サッカーにとっても。山根だけではなくて、あのスタメンに大学サッカー出身者が何人も出ているので、非常にうれしい」と話した。
続けて、「もともと左のワイドのバリバリの、仕掛けて点を取る選手だった。それがベルマーレに行って、曺さんがセンターバックという才能を開花させてくれた。今まで積み重ねてきたものに、新しくディフェンス力というのが加わって、今までにいないようなサイドバックができ上がってしまった。日本でも初めての感じではないか。ああいう面白い選手というのは。すごくうれしい」と繰り返した。
第1節の結果は以下の通り。
【1部リーグ】
明治大学 3-2 流通経済大学
順天堂大学 2-3 筑波大学
早稲田大学 1-0 拓殖大学
法政大学 3-1 駒澤大学
桐蔭横浜大学 2-1 立正大学
国士舘大学 2-0 慶應義塾大学
【2部リーグ】
産業能率大学 1-2 日本体育大学
日本大学 2-1 東京国際大学
東洋大学 2-0 神奈川大学
専修大学 2-3 東海大学
中央大学 1-0 東京学芸大学
関東学院大学 1-2 立教大学
(文=玉 昌浩)
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