サンディエゴ・パドレスのキム・ハソン(25)は、2021年の米メジャーリーグ(MLB)で最も年俸が高い控え選手になってしまうのだろうか。
『MLB.com』でパドレス担当を務めるAJ・キャサベル記者はパドレスの開幕戦エントリー26人を展望し、キム・ハソンを「ユーティリティーマン」に区分した。
内野手4人はエリク・ホスマー(31)、ジェイク・クロネンワース(27)、フェルナンド・タティス・ジュニア(22)、マニー・マチャド(28)という顔ぶれとなり、ユーティリティーマンにはキム・ハソンのほかホルヘ・マテオ(25)、トゥクピタ・マルカーノ(21)らを挙げた。
普通ならば主力でなくても内野手に区分するところを、最初からユーティリティーマンに決めた。最近の野球のトレンドを反映されたことを意味する。
キャサベル記者はベンチ唯一の左打者であるマルカーノについて、内外野のどちらもできる“スーパーユーティリティーマン”と伝えた。キム・ハソンは主に二塁手、遊撃手、三塁手のバックアップと見られていて、外野手の控えとして活動する可能性は低い。足の速いマテオは代走の役割がメインだろう。
キム・ハソンは、パドレスと4年2800万ドル(日本円=約31億円)の契約を結んだ際にチームの主力二塁手と予告されていたのとは異なる方向に流れた。
オープン戦でのプレーぶりを通じて、主力からユーティリティーマンに下げられてしまったのだ。もはや、キム・ハソン本人が早急にMLBへの適応を進め、目の前の壁を乗り越えなければならない。
実際、パドレスもキム・ハソンをユーティリティーマンとして活かすために2800万ドルの大金を投じたわけではない。通常、ユーティリティーマンの年俸がこれほど高いケースはない。
現役最高のユーティリティーマンとされる元ロサンゼルス・ドジャースのキケ・ヘルナンデス(29)は、昨シーズン終了後にFA(フリーエージェント)となり、ボストン・レッドソックスと1年590万ドル(約6億5400万円)の契約を交わした。キム・ハソンの年俸は700万ドル(約7億7600万円)だ。
かつてMLBでプレーしたカン・ジョンホ(33、無所属)も、去る2015年にピッツバーグ・パイレーツに加入した当初は遊撃手でのスタメン獲得に乗り出していた。だが、ジョーディ・マーサー(34、現ワシントン・ナショナルズ)とのポジション争いに敗れ、結局は三塁手に路線変更して主力の座をつかんだ。
三塁手が主戦場となって以降はほかのポジションも任されるようになり、結果的にチームへの貢献度を高めた。
結局のところ、主力になれるかどうかの分かれ目は攻撃力にある。アメリカ国内には“守備要員”があふれかえっているが、攻撃面での活躍に乏しいため、MLB昇格を果たせずにいるのだ。
キム・ハソンは、球団が巨額を投じたこともあって、十分な出場機会を得られている。このチャンスをモノにできれば、韓国プロ野球時代に披露した活躍を再現できるはずだ。
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