プロ野球の応援歌&選手登場曲は“著作者人格権”の侵害? 韓国で初の判決

プロ野球の試合を盛り上げる応援歌や選手登場曲。韓国では3年ほど前から、著作者の同意なしに曲が編曲され、球場で応援歌として使用されていることについて、著作者人格権の侵害にあたるとの議論が巻き起こっていた。

実際に、作曲家ユン・イルサンら21人は著作者人格権を侵害されたと、サムスン球団を相手に損害賠償訴訟を起こしている。その判決が出た。

ソウル中央地裁民事合意26部(パク・サング部長判事)は2月18日、原告の請求をすべて棄却すると判決を下した。裁判所は原曲を編曲したり、歌詞を変えたりした応援歌は、著作者の人格権を侵害していないと判断した。

この間、韓国野球委員会(KBO)と10球団は、非営利目的で応援歌や選手登場曲、チアリーダーのダンス曲に大衆歌謡を使用しており、その音源著作権料を韓国音楽著作権協会(2003年から)、韓国音楽実演者連合会、韓国音盤産業協会(いずれも2011年から)の計3つの著作権団体を通じて著作者に支払ってきた。

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しかし、著作者人格権の問題が浮上した。

韓国では近年、プロ野球人気が高まっている

単純な音源使用ではなく、音源編集が行われた場合に著作者が人格の侵害を受けたと見なせば、著作権とは別に著作者人格権の侵害に該当することがある。そんな意見が2016年末から提起され、著作者と球団間の葛藤が深まった。

KBOと各球団は著作者と協議し、大多数の著作者が会員となっている韓国音楽著作権協会や公聴会への出席などで問題解決に努めたが、一部の著作者が球団に対して著作者人格権関連の訴訟を提起するに至った。

結局、KBOと10球団は応援歌の問題について共同対応を進めることにし、応援歌の使用を暫定的に停止。各球団は、著作権違反にあたらない曲を作って昨シーズンから使用してきた。

そんななか今回、裁判所が原告の訴えを棄却したことで、重要な転換点を迎えることになった。

今シーズンの応援歌はどうなる?

では、昨シーズンに使えなかった応援歌は、今シーズンから再び聞くことができるのだろうか。

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